研究課題/領域番号 |
12204066
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
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研究分担者 |
岸本 一郎 財団法人生産開発科学研究所, 研究員 (80312221)
吉村 道博 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (30264295)
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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キーワード | eNOS遺伝子 / 遺伝子多型 / SNPs / 冠攣縮性狭心症 / サプレッサー / RPA1 |
研究概要 |
邦人に多発する冠攣縮性狭心症の成因を研究する上で、この成因にeNOS遺伝子異常が関与しているとの仮説に基づき、冠攣縮性狭心症と健常対象者それぞれ10名のDNAを用いて、eNOS遺伝子全エクソンと5'転写調節領域1.6Kbpにわたり、SSCP法で点変異を検索した。その結果、エクソン7のミスセンス変異(Glu298Asp変異)と、5'転写調節領域に、3カ所の点変異(T-786C,G-922C,T-1468A変異)を見つけた。 5'転写調節領域の3つの変異は同一対立遺伝子上に存在していたが、ゲルシフトアッセイ等の検討によりg-786C変異が機能的であることが示唆された。さらに、T-786C変異部位を11bp欠失させた変異リポーターを作製してルシフェラーゼアッセイを行ったところ、この欠失クローンは野生型クローンと同等までルシフェラーゼ活性が回復した。これらの結果より、T-786C変異にサプレッサー蛋白質が結合していることが示唆された。 T-786C変異近傍は既知の転写調節配列と相同性が認められず、このサプレッサーを精製することにした。この蛋白質を精製するにあたりHela細胞の核蛋白質を300mg調整し、2段階のイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティービーズにて、SDS-PAGE上50Kdのシングルバンドに精製することに成功した。この蛋白質をゲルより抽出し、アミノ酸配列を決定した。この決定されたアミノ酸配列はreplication protein A(RPA)の部分配列と100%一致した。さらにゲルシフトのシフトバンドはRPAに対する抗体でスーパーシフトし、また、リコンビナントRPAを用いても同様のゲルシフトが確認された。さらに、RPAの転写開始点付近の塩基配列を基にしたアンチセンスをHUVECに導入すると変異型リポーター活性が有意に回復することが確認された。これらの一連の結果より変異型eNOS遺伝子の転写はRPAを介して抑制されていることが証明された。
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