研究課題/領域番号 |
12204094
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
猿田 享男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051571)
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研究分担者 |
吉田 理 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306713)
小林 一雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00280636)
林 松彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60129608)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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キーワード | 若年性遺伝性高血圧 / インスリン抵抗性 / 不死化リンパ芽球 |
研究概要 |
<背景と目的> 高血圧症に合併するインスリン抵抗性は血圧上昇に寄与するだけでなく、心血管系合併症を惹起する重要な要因となっている。従来、高血圧に合併するインスリン抵抗性は、骨格筋への血流低下、肥満の影響、交感神経活性の亢進によりもたらされるという仮説が支持されてきた。本研究においては不死化リンパ芽球を用いてインスリンによる糖の取り込み能を検討することにより、若年性遺伝性高血圧に細胞レベルでのインスリン抵抗性が遺伝的に併存することを示すことを目的とした。 <検討結果> 遺伝子解析と培養細胞機能解析についてのインフォームドコンセントが得られた20歳-30歳の147名の若年男性を遺伝子解析の対象とした。この中で、本態性高血圧の家族歴が濃厚な若年血圧高値群8名(収縮期血圧130または拡張期血圧85mmHg以上)を細胞機能解析の対象として、高血圧・心血管系疾患の家族歴を有さない同年齢の血圧低値群7名(収縮期血圧110かつ拡張期血圧70mmHg以下)をコントロールとして選択した。血圧高値群は、血圧低値群および母集団と比較してBody mass index、空腹時血糖値、インスリン値および総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールのすべてが有意に高値を示した。従って、若年性遺伝性高血圧には、肥満を背景とした個体レベルのインスリン抵抗性があることが明らかとなった。更に、血圧高値群の培養不死化リンパ芽球におけるインスリンによる糖の取り込み能は低下していた。 <考案> 少数例でのPilot Studyで若年遺伝性高血圧症に合併するインスリン抵抗性は、細胞における糖の取りこみ能の低下に起因する遺伝的な事象であることが明らかになった。今後は十分な症例で細胞レベルでのインスリン抵抗性が確認できるかを検討する必要がある。更に、インスリン抵抗性関連候補遺伝子について、新たなSNPを見出し関連解析を行う計画とする。
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