研究課題/領域番号 |
12204098
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
橋本 博史 順天堂大学, 医学部, 教授 (60053120)
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研究分担者 |
深沢 徹 順天堂大学, 医学部, 助手 (30301500)
戸叶 嘉明 順天堂大学, 医学部, 講師 (40217469)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 疾患感受性候補遺伝子 / HLAclassII / Fcγ受容体IIB / CD19 |
研究概要 |
<背景と目的> SLEは疾患感受性を示す幾つかの遺伝子があって、環境因子との相互作用によって免疫機序に異常をきたし発症すると考えられる。本研究は、HLA及びHLA以外の疾患感受性候補遺伝子としてB細胞の分化・活性化・増殖を調節するCD19、免疫複合体のクリアランスに関連するFcγ受容体について検索を行い、SLEの疾患感受性遺伝子を明らかにし、その個々の遺伝子変異の免疫機構に対する影響と、各種病態との関連を明らかにすることにより複雑な病因の解明につなげる。また、治療効果及び予後を予測する可能性のある遺伝子について検討する。 <検討結果> (1)ループス腎炎において、HLAclassII遺伝子との関連について症例を累積して解析したところWHO分類II型では、DQA1^*,DQB1^*がWHO分類IV型と比較して有意に多かった(Table参照)。(2)cDNAを用いたnested PCRによりFcγ受容体IIBの変異解析した結果、232T/Tホモ接合体が対照群94例中5例(5.3%)に対し、SLE75例中13例(17.3%)に存在し、有意な増加を認めた(P=0.02)。(3)CD19遺伝子の変異解析を行った結果、3'-untranslated regionにおける15回以上のAGT repeatが健常対照群に比べ、SLEにおいて有意に多かった(p=0.016)。((2)(3)は東京大学人類遺伝学教室徳永勝士教授らとの共同研究) <考察> HLA classII遺伝子がループス腎炎の予後と関連している可能性が示唆された。 また、SLEとFcγ受容体IIBあるいはCD19遺伝子との関連を認め、SLEの疾患感受性遺伝子である可能性が示唆された。今後それらの遺伝子多型と病態との関連解析を進める予定である。更に、現在SLEの治療の第1選択薬であるステロイドの治療効果を予測するため、ステロイド有効群と抵抗群におけるグルココルチコイド受容体遺伝子の多型解析を行っている。
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