ゲノムプロジェクトは、数多くの機能未知の蛋白質(オーファンプロテイン)の存在を明らかにしつつある。一方、核では複製、修復、転写などの素反応が特定の部位で生じることも明らかになりつつある。そこで本研究では、核内で特徴的な分布を示すオーファンプロテインに着目し、その分布と核内反応部位との関連、そして結合因子を同定することにより、核における新しい蛋白質ネットワークを同定することを目指した。 1.核内の機能部位とオーファンプロテインの相互関係を明らかにするために、修復部位をRad51抗体染色、DNA複製部位をCy3-dUTPパルス標識、RNA合成部位をBrUTPパルス標識で同時に検出するシステムを構築した。このシステムをオーファンプロテイン-EGFP融合因子発現細胞に用いることにより、核内素反応とオーファンプロテインの局在との関連を検討できるものと期待できる。 2.いくつかのBTB/POZ因子に関してEGFP融合蛋白質を発現させ、そのドットと機能部位の関連を検討した。その結果、うち一つに関しては転写部位と一致する分布を示すことが明らかになった。
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