1.ホロスポラ・オブツサのゲノムは現在までに約60%(ゲノムサイズ約1.7Mbp)が解読された。2D-SDS-PAGEゲルの18種のスポットの部分アミノ酸配列を決定し、解読済みゲノム部分にORFがあるかどうかと既知タンパク質とのidentityの有無を調べた。その結果、ORFが見つかったのは3種のみ、高いホモロジーが確認されたのは8種であった。解読済みゲノム部分(60%)にORFが3/18(17%)しか検出されないことは、宿主から輸入したタンパク質が多いことを示唆している。 2.ディファレンシャルディスプレー法で、ホロスポラによって発現が抑制される宿主遺伝子を12種、発現が増加する遺伝子を3種検出し、前者のうちの4種の遺伝子断片のシーケンスを行った。その1種は、真核細胞核で最初のコドン逸脱性の発見になったにもかかわらず機能が不明のままになっていたイモビリゼーションアンチジェンA遺伝子であった。ノーザンブロットでも、この遺伝子発現がホロスポラの感染によって抑制されることが確認された。 3.ホロスポラが細胞外膜に露出させている標的核膜識別センサー(リポ多糖)を精製した。 4.ホロスポラの標的核膜貫通部位に特異的なモノクローナル抗体を1種類作成し、抗原の性質を調べた。
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