既に分裂酵母から同定していた4種のE2に加えて、ゲノム配列の公開された部分からE2の保存ドメインを指標に検索し、新たに9種のE2遺伝子を同定し、その遺伝子とcDNAを分離した。我々以外から発表されているもの1種を含めて、14種を得た。これは出芽酵母のE2分子種の数に既に越えるもので、分裂酵母のE2分子種は出芽酵母のそれを最終的に上回ることになる。これらの遺伝子の遺伝子破壊による機能の探索を行った。分裂酵母のE2分子種の機能的分化は、標準と見做されがちな出芽酵母のそれとは分裂期制御や性変換、不稔性、DNA修復機構など細胞増殖の基本機能に関わる局面でさまざまに様相を異にすることが判明した。これは細胞の基本的な機能を制御しているかなりのユビキチン経路が出芽酵母とは表現型として異なっており、分裂酵母でE2経路の再検討の必要性をさらに強調するものであった。
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