研究分担者 |
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10211252)
高橋 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00372392)
小野寺 理 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20303167)
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40260492)
小宅 睦郎 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70313559)
成瀬 聡 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70313541)
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配分額 *注記 |
244,200千円 (直接経費: 244,200千円)
2004年度: 59,200千円 (直接経費: 59,200千円)
2003年度: 59,200千円 (直接経費: 59,200千円)
2002年度: 59,200千円 (直接経費: 59,200千円)
2001年度: 66,600千円 (直接経費: 66,600千円)
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研究概要 |
ポリグルタミン鎖をコードするCAGリピートの異常伸長によって発症する疾患は,歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)を始めとして現在9つの神経変性疾患が見いだされており,神経細胞の変性に関して共通の発症機構が存在するものと考えられる.本研究では,全長のヒト変異DRPLA遺伝子を単一コピーで導入したトランスジェニックマウスを作成し,ヒトにおける病態機序をよく反映するモデルマウスを確立した.このモデルマウスにおいては,神経細胞死は観察されないこと,病態機序の本質が,伸長ポリグルタミン鎖を有する変異DRPLA.タンパクの核内集積とその結果としての核の機能障害であることを見出した.核の機能障害については,培養細胞系を用いた,レポーター遺伝子による解析,内在性のcAMP応答遺伝子を指標にした解析から,CREB-依存性の転写活性化の障害を見出した.さらに,Q76,Q113,Q129の3種類のDRPLAマウス(変異DRPLA遺伝子を同一のintegration siteで,単一コピーで有する)を用いて,4週,8週,12週で詳細な遺伝子発現プロファイリングを行い,2-way ANOVAに基づき,CAGリピート長,時間依存性に発現が有意に変化する遺伝子を,多数同定した.この発現量が時間依存性,CAGリピート長依存性に低下する遺伝子群の中には,c-FOS, EGR-1,preprosomatostatin, neuropeptide Yなど,CERB-依存性転写活性化が関与する遺伝子が含まれており,ポリグルタミン病においてCREB-依存性転写活性化が障害されていること,その緩和が治療法開発のターゲットになることを示した.
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