研究課題/領域番号 |
12210018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
池田 穣衛 (池田 穰衛) 東海大学, 総合医学研究所, 教授 (50266467)
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研究分担者 |
大須賀 等 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (60203775)
秦野 伸二 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (60281375)
田中 一則 東海大学, 医学部, 助手 (10338767)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
44,700千円 (直接経費: 44,700千円)
2002年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2001年度: 29,700千円 (直接経費: 29,700千円)
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キーワード | ハンチントン病 / 神経細胞死 / ポリグルタミン病 / 遺伝子発現調節 / HD遺伝子 / ミニブタ / トランスジェニック / ハンチントン病(HD) / CAGリピート / HD遺伝子転写制御 / HDモデルミニブタ / HD遺伝子転写調節 / ハンチントン舞踏病 |
研究概要 |
本研究は、ハンチントン病(HD)遺伝子発現調節の分子機構の解析と遺伝子導入HDモデルミニブタによる疾患の分子病態解析を通して、選択的神経細胞の変性(死)を伴うHDの分子機構解明と予防・治療法開発の糸口を得ることを目的とした。主な結果は下記のように要約される。 HD遺伝子発現調節機構の解析のために、我々はyeast One-hybrid screening systemを用いてHD遺伝子転写調節領域に結合する2つの新規DNA結合因子(HDBP1、HDBP2)の単離・同定に成功した。アミノ酸配列解析からHDBP1、HDBP2間で類似のドメイン構造が見出され、両因子が新規ファミリー蛋白質に属することが推定された。また、HDBP1、HDBP2の機能解析より、両因子が核外移行配列依存的な経路を介して核-細胞質間をシャトルする蛋白質であること、両因子間で高度に保存されたC末領域がDNA結合活性を有すること、そしてこの新規DNA結合ドメインがHD遺伝子プロモーター領域内の7bpの新規シス調節配列(GCCGGCG)を認識することを明らかにした。さらに、レポーター遺伝子解析より、7bpシスエレメントが神経細胞特異的なプロモーター活性に関与することも示した。これらの成果は、HD遺伝子の発現制御機構解明に向けての突破口になると判断できる。 これまでに我々は変異型ミニブタHD遺伝子(75CAGリピート)を導入した5個体のトランスジェニックミニブタを作出した(FO;雌4個体、雄1個体)。そして、ミニブタ雌(FO)1個体から2系統(多コピー数導入個体と単一コピー導入個体HD遺伝子導入ミニブタ)のF1個体の系統樹立に成功した。一方、ミニブタ雄(FO)個体の精子DNAにおけるCAGリピート数の変動の解析から、導入遺伝子のもつリピート数は安定性を示すことが判明した。また、導入遺伝子によるinsertional mutationあるいはpositional effectの可能性は否定できないが、興味深い結果として、ミニブタ雄(FO)個体において生後6ヶ月時点より旋回運動症候が認められた。
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