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α-synucleinキナーゼの同定とα-syuclein凝集機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12210114
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関広島大学

研究代表者

山下 拓史  広島大学, 医学部, 助手 (20311813)

研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
キーワードParkinson病 / α-synuclein / protein tyrosine kinase / Fyn / チロシンリン酸化 / SH-SY5Y細胞 / 凝集体形成
研究概要

α-synucleinはパーキンソン病の発症に関与する重要な蛋白として注目を集めている。しかし、α-synucleinが神経細胞内でどのように修飾を受け、どのような機序で凝集体を形成するのか、そのプロセスは未だ不明である。われわれはα-synucleinをリン酸化する酵素の検索を行い、α-synucleinのリン酸化がα-synucleinの凝集に及ぼす影響を検討した。中枢神経でシグナル伝達に重要な役割を担うチロシンキナーゼであるFyn、Lyn、PYK2、FAK、およびセリン・スレオニンキナーゼであるMAPK/ERK1、SAPK/JNK、Cdk5をそれぞれCOS7細胞に発現させ、[γ-32P]ATPを用いて免疫沈降キナーゼアッセイを行った。基質にはGST融合α-synuclein蛋白を用いた。今回検討した7種類のキナーゼのうち、Fynがα-synucleinのチロシン残基をリン酸化した。家族性パーキンソン病で報告されているA30PおよびA53T変異型α-synucleinもFynにより同様にリン酸化された。α-synucleinは4つのチロシン残基(Y39、Y125、Y133、Y136)を持つが、Fynによるα-synucleinのリン酸化部位はY125であることが判明した。脳内におけるα-synucleinの発現は黒質、線条体、海馬などに多く、Fynの発現部位と一致し、また免疫蛍光染色と共焦点レーザー顕微鏡による観察でもα-synucleinとFynは細胞内で共存し、細胞内でα-synucleinがFynによりリン酸化されることが推察される。さらにチロシンがリン酸化を受けていない高純度のα-synuclein蛋白をstreptolysin-OによりSH-SY5Y細胞に導入し培養したところ、生きた細胞内にα-synucleinからなる凝集体が容易に形成された。リン酸化、脱リン酸化や、ニトロ化などによるα-synucleinのチロシン残基の修飾は、α-synucleinの凝集機序や、神経変性過程を解析する上で重要であると考えられる。平成13年度は、平成12年度の成果をふまえ、さらに研究を進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakamura T,Yamashita H,Takahashi T,Nakamura S: "Activated Fyn phosphorylates α-synuclein at tyrosine residue 125"Biochem Biophys Res Commun. 280. 1085-1092 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2018-03-28  

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