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機能性精神疾患モデルとしてのノックアウトマウス

研究課題

研究課題/領域番号 12210162
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

曽良 一郎  財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (40322713)

研究分担者 糸川 かおり  埼玉医科大学, 神経内科, 助手 (10255086)
萩野 洋子  財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (40332382)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
キーワードモノアミン / トランスポーター / ドーパミン / セロトニン / ノックアウトマウス / コカイン / 選択的5-HT取り込み阻害剤 / DNAマイクロアレイ
研究概要

モノアミントランスポーターは覚醒剤、抗うつ薬の標的分子であり、種々の精神疾患における関与が多数報告されている。我々はモノアミントランスポーターの遺伝子ノックアウトマウス(以下KOマウス)を作製し、精神疾患の病態に深く関わっている報酬系の変化をこれら変異マウスにおいて検討した。
抗うつ薬は通常、依存性を持たないとされているが、ドーパミントランスポーター(DAT)、あるいはノルエピネフリントランスポーター(NET)KOマウスにおいて選択的5-HT取り込み阻害剤(SSRI)による場所条件付け試験を行ったところ、両者ともにSSRIの報酬効果が観察された。モノアミントランスポーター単独欠損マウスにおいては報酬系のメカニズムに変化が起こっていることが考えられる。
DATKOマウスは覚醒剤による運動量の増加が消失しているにもかかわらず、場所条件付け試験によるコカインの報酬効果は保持されていた。さらにセロトニントランスポーター(5-HTT)あるいはNETKOマウスにおいてもコカインの報酬は減少するどころかむしろ増加する結果が得られた。これより5-HTT,DAT,NETがそれぞれ単独に欠損しても、他のトランスポーターが補い、覚醒剤の報酬が保持されることが推測された。そこでDATと5-HTTのダブルKOマウスを新たに作製し、コカインの報酬が保持あるいは消失するかどうかを検討した。ダブルKOマウスではコカインの報酬効果が消失していたことから、コカインの報酬効果には複数の遺伝子の関与が示唆された。
これらモノアミントランスポーターKOマウスにおける報酬系の変化を分子レベルで検討を行うためにDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現のプロファイリングを行った。検討を行った6500個の遺伝子の中で、約40%の発現を認めた。野生型と比較して、二倍以上の増減が確認できたのはそのうちの約2%であった。DAT/5-HTTダブルKOマウスにおいて野生型と発現の違いが観察された遺伝子の一部はDATあるいは5-HTT単独KOマウスにおいても確認された。しかし、DATあるいは5-HTT単独KOマウスに共通して発現が変化している遺伝子は認められなかった。ダブルKOマウスにおいてのみ変化が認められた遺伝子が、ダブルKOマウスでのコカイン報酬効果の消失に関与している可能性が考えられる。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sora I,Hall S,Andrews A M,Itokawa M,Li X-F,Wei H-B, et al.: "Molecular Mechanisms of Cocaine Reward : Combined Dopamine and Serotonin Transporter Knockouts Eliminate Cocaine Place Preference"Proceeding of National Academy of Science USA. (in press).

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Wisor J P,Nishino S,Sora I,Uhl G R,E Mignot E,Edgar D M: "Dopaminergic role in stimulant-induced wakefulness"Journal of Neuroscience. 21. 1787-1794 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Uhl G R,Li S,Takahashi N,Itokawa K,Lin Z,Hazama M,Sora I: "The VMAT2 gene in mice and humans : amphetamine responses, locomotion, cardiac arrhythmias, aging, and vulnerability to dopaminergic toxins.:"FASEB Journal. 14. 2459-2465 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 曽良一郎: "特集:精神分裂へのアプローチ 次世代への展望、遺伝子改変による精神分裂病モデル動物の開発"分子精神医学. 1. 27-34 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 曽良一郎: "KEY WORD精神 第2版、樋口輝彦,神庭重信,染矢俊幸,宮岡等 編モノアミントランスポーター"先端医学社、東京. 214-217 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2018-03-28  

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