研究課題/領域番号 |
12212001
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下遠野 邦忠 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10000259)
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研究分担者 |
小池 和彦 東京大学, 医学研究科, 助教授 (80240703)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
70,200千円 (直接経費: 70,200千円)
2004年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2002年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2000年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | アポトーシス / C型肝炎ウイルス / ウイルスゲノム / レプリコン / 核内受容体 / TLR3 / 自然免疫 / サイクロフィリン / ウイルスポリメラーゼ / HCVゲノムレプリコン複製 / インターフェロン / ゲノム / 複製 / サイクロスポリン / 肝がん / 細胞増殖 / PKR / リン酸化 / NS5A / トランスジェニックマウス / 脂肪代謝 / コアタンパク質 / NF-kB / 小胞体膜 |
研究概要 |
本研究においては、ウイルスタンパク質が細胞の増殖に果す役割と、感染予防的な観点からHCVの感染増殖系の開発、ウイルスゲノムの複製制御についての研究を行った。以下にこれまでの成果を箇条書きで示す。 I.HCVタンパク質が細胞の増殖に及ぼす効果について。 (1)HCVコアタンパク質によるNF-κBの活性化機構:HCVタンパク質コアおよびNS5Aを一過性、恒常的あるいは誘導的に発現する細胞を作製した。コアタンパク質発現細胞についてはNF-κBの活性化をレポーターアッセイによりモニターした。その結果、コアタンパク質が小胞体に局在することがNF-κBの活性化に重要であることが明らかになった。 (2)HCVコアタンパク質による核内受容体の転写活性化機構:コアと会合するタンパク質の中に核内受容体の活性をを抑制する働きがあることを見いだした。本タンパク質についてさらに解析し、本タンパク質がコアと会合すること、それにより抑制作用が解除されて核内受容体依存的な転写活性が生じることを明らかにした。 (3)HCVコアタンパク質によるMAKキナーゼの活性化:コアを産生する細胞ではRas/Raf径路が活性化されるこさを見い出した。活性化には、コアがシグナルカスケードの中で、アダプター的に機能していることが示唆された。 (4)HCVNS5Aタンパク質による2本鎖RNA依存的なキナーゼタンパク質の活性化機構:NS5Aの欠失変異体を用いてPKRの機能に及ぼす効果を調べ、NS5AのC端側3分の2の領域がPKRの機能沮害に必要であると推定された。 II.HCVゲノム自律複製細胞の樹立とそれを用いたウイルスゲノム複製を制御の解析。 HCVゲノムが恒常的に自律複製する培養細胞を樹立した。それを用いて、ウイルスゲノム複製機構を解析した。その結果、HCVゲノム複製は細胞内の核膜周辺の限られた環境内に膜構造に守られて行われることを明らかにした。また、ウイルスゲノムの複製がサイクロスポリンにより強く阻害されることを見いだした。HCVゲノム複製の阻害は、サイクロスポリンの免疫抑制阻害活性ではなく、サイクロスポリンと結合し、その酵素活性が抑制されるサイクロフィリンにより制御されていることを示唆する成果を得た。また、HCVゲノムの複製は二本鎖RNAにより誘導される自然免疫系により強く制御されることを明らかにした。
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