研究課題/領域番号 |
12213019
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助教授 (90260752)
|
研究分担者 |
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60199172)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 転写統合装置 / CREB結合蛋白質(CBP) / 家族性乳癌原因遺伝子産物BRCA1 / RNAヘリケースA / 転写活性化 / 細胞周期 / 遺伝子改変マウス / p21 |
研究概要 |
わたしたちはCREB結合タンパク質(CBP)に代表される転写統合装置と呼ばれる分子群の解析を行っている。特に、RNAヘリケースA(RHA)がCBPの転写活性化に必要であることを証明した(Cell 1996,1997,G&D 1997)。さらに家族性乳癌原因遺伝子BRCA1の転写活性化機能の発現にRHAが関与し、かつ乳癌患者で高頻度に認められる遺伝子変異(M1775E)によりRHAに対する親和性が低下していることを見出した(Nature Genetics 1998)。正常型BRCA1は細胞周期抑制因子p21の発現を転写レベルで調節し、(乳腺)細胞の増殖の恒常性を保つと考えられている。この結果から、M1775EではRHAとの複合体形成不全が生じ、"乳癌"の発症に繋がるとの可能性を提唱した。今回、RHAを含む核内複合体の機能解析を進めることにより細胞の"ガン"化の分子機構の一端を明らかにできるのではないかと考え、上記複合体の細胞の発ガンへの関与を以下の2点で解析した。 1.RHAによる家族性乳癌原因遺伝子産物BRCA1の転写活性化機構の解析 RHAの転写活性化機構に関する基礎的検討により、そのATPase活性とRNA polymeraseIIとの結合能の両者が必要であることを発見した(MCB in press)。本研究では、それぞれの活性化能を欠失した変異RHAを用いることによって、BRCA1の機能に対するRHAの両機能の必要性について検討した。その結果、両者が必要であるが、RNA polymeraseIIとの結合能が、よりBRCA1の転写活性化に重要であることが示された。 2.CBP/RHA複合体とがん原遺伝子産物β-cateinの結合の意義 CBPが標的となってガン原遺伝子産物β-カテニンがガン抑制遺伝子産物p53の機能を調節している可能性を提示した(JBC,2000)。
|