研究課題/領域番号 |
12213028
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神野 茂樹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10251224)
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研究分担者 |
岡山 博人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40111950)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | G1 / 足場非依存性増殖 / NRK細胞 / cdc6 |
研究概要 |
培養細胞の癌形質の中でも足場非依存性増殖能の獲得は、浸潤や転移の必要条件となる重要な性質である。癌細胞は足場が存在しなくともG1期からS期へ進行するが、正常細胞の場合は足場が存在しないとG1期に停止する。我々は増殖因子EGF存在下では癌形質、非存在下では正常形質を示すNRK(正常ラット線維芽細胞)から増殖因子存在下でも正常形質を示す変異株を分離し、EGFによる足場非依存的増殖開始機構を解析してきた結果、この癌化を引き起こすシグナルの最終ターゲットは細胞周期上のG1期に存在する事がわかった。そこでNRK細胞を浮遊条件でG1期に停止させそこからEGF添加により細胞周期を開始させ細胞周期制御因子の発現の変化するかを調べた。その結果、cdk4、cdk6、cdk2が活性化し、S期開始に必須のcdc6が発現することにより細胞はG1期からS期に進行することがわかった。次にG0期に停止したNRK細胞を、接着条件のまま血清添加により細胞周期を開始させ、その後浮遊させてG1期に停止させた場合どのように細胞周期制御因子が変化するかを調べた。このときはcdk4、cdk6、cdk2などは活性化するがcdc6は発現しなかった。足場非存在下ではE2Fは活性化するがcdc6発現が抑制されているため増殖が開始できないものと考えられる。事実cdc6の高発現株ではS期への進行が可能であった。癌化シグナルはこのcdc6抑制を解除することによりS期への進行を可能としていると考えられる。
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