研究課題/領域番号 |
12213039
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
永瀬 浩喜 理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 研究協力員(研究職) (90322073)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | マウス皮膚がんモデル / がん感受性遺伝子 / 7,12-dimethylbenz[a]anthracene / 遺伝学的遺伝子相関 / 線形非線形回帰解析 / 12-O-tetracanoylphorbol-13-acetate / がん修飾遺伝子 / 化学発癌 |
研究概要 |
多次元的に係わりあう発がんに関わる遺伝因子を、がん発症を表現型とした多遺伝子性疾患として捕らえる事で遺伝学的に同定して行く試みをこの1年間行ってきた。この複雑な遺伝因子を同定するためには環境因子を出来るだけ取り除いたもしくは同一にした集団での研究が必要となるが、ヒト集団ではそのような条件を満たす事は困難であり、実験動物による代用が必要とされた。我々はマウスを用いた皮膚がんの化学誘導モデルでこの遺伝的要因の同定を試み、このモデルより12の異なる遺伝子座が相互に影響しあい、発がんにおける多段階の変異に遺伝的に影響を与えている事を見出した。本年このアプローチの基本的データ処理法を確立し遺伝的相互作用を同定しCancer Research誌に報告できた。さらに遺伝子座内の候補遺伝子の細胞レベルでの機能、体細胞レベルの変化および生殖細胞レベルでのがん感受性への関与の検討を進めている。マウス第16番染色体候補遺伝子についてはその発言量がマウス皮膚癌および人を含めた培養癌細胞で高頻度に増幅している事を突き止めマウスモデルによる人癌関連遺伝子の同定の現実性を予想させるデータとして大変興味深く捉えている。研究はさらにヒトがん細胞株の検索で卵巣がんに最も高頻度に増幅が見られたことより卵巣がん腫瘍組織より抽出したRNAでの検索をスタートさせ少数例では有るが卵巣腫瘍においての特異的増幅を確認している。このようにマウスモデルを利用したヒトがん関連遺伝子の研究の有用性が確認されつつある。
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