研究課題/領域番号 |
12213074
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294083)
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研究分担者 |
北山 等 大阪大学, 医学系研究科, 助手
池田 弘和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10311755)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 増殖 / STAT5 / ras / v-Src / FLT3 |
研究概要 |
Jaks/STATs系は多くのサイトカインの下流で細胞の増殖・分化・生存を制御している。また、正常のサイトカインのみでなくBCR/ablやv-Srcなどの癌遺伝子もJaks/STATs系の活性化を誘導することが報告されている。本研究ではこれら癌遺伝子によって活性化されたJaks/STATs系の機能について検討を行った。 v-SrcはマウスIL-3依存性細胞株Ba/F3に造血因子非依存性の細胞増殖・生存をもたらした。このクローンではSTAT3、Ras/MAPK、PI3-Kの恒常的活性化が認められ、このクローンにドミナントネガテイブ(DN)型のSTAT3、Ras、PI3-Kを誘導的に発現させたところv-Src依存性増殖はそれぞれ60%、100%、40%抑制された。これらのDN変異体が細胞増殖を制御する分子の発現に及ぼす影響を検討したところ、DN-STAT3はc-myc、サイクリンD2、サイクリンEの発現を抑制し、DN-Rasはc-myc、サイクリンD2、サイクリンD3の発現を抑制した。これらの結果から、v-Srcによって活性化されたSTAT3とRasは、一部は重複するが、一部は異なった遺伝子の発現誘導を介してv-Src依存性の細胞増殖に寄与すると考えられた。 活性型flt3もマウスIL-3依存性細胞株32Dに造血因子非依存性の細胞増殖をもたらした。野生型flt3を導入した32Dをflt3リガンドで刺激した場合にはSTAT5の活性化はおこらなかったが、活性型flt3を導入した32DではSTAT5の恒常的活性化が認められた。また、活性型flt3による増殖はDN-STAT5、DN-Rasによってそれぞれ50%、60%抑制された。 以上の結果から、v-Srcや活性型flt3などの癌遺伝子によって活性化されたJaks/STATs経路はRas/MAPK系路やPI3-K系路と協調してこれらの癌遺伝子による腫瘍性の細胞増殖に関与すると考えられた。
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