研究課題/領域番号 |
12213103
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平野 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80291516)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 細胞周期 / サイクリン依存性キナーゼ / p27^<Kip1> / アイソフォーム / 蛋白質分解 |
研究概要 |
血管内皮細胞cDNAライブラリーからサイクリン依存性キナーゼ阻害蛋白質p27^<Kip1>の新規分子種をクローニングした。新規分子種は、従来種とは異なるC末端を有するスプライスアイソフォームである。細胞抽出液を用いた分解アッセイを行ったことろ、従来種は増殖期の細胞抽出液によって1時間以内に分解されたのに対し、新規分子種は抵抗性であった。このことから新規分子種を、p27^<Kip1R>(degradation-resistant isoform of p27^<Kip1>)と命名した。新規分子種を緑色蛍光色(GFP)との融合蛋白質として培養細胞に発現させると、従来種と同様に核へ局在することが明かとなった。GFP蛍光顕微鏡画像解析により核局在の程度を定量評価する方法を確立し、従来種の変異体を解析したところ、従来種の核移行シグナルは2分裂型であり、領域153〜166が核移行に必要最小限の領域であることを明らかにした。ところが、従来種と新規分子種の共通領域では核への特異的集積が消失した。このことから、新規分子種に特異的なC末端領域にも核移行に必要は配列があり、新規分子種の核移行シグナルも2分裂型であることが示唆された。GFP蛍光を指標に、フローサイトメーターを用いて、組換え蛋白質発現陽性及び陰性細胞の増殖を評価する方法を確立した。すなわち、遺伝子導入後各時点で、総細胞数を計測し、発現陽性細胞の割合を求め、両者から発現陽性及び陰性細胞の細胞数を算出し、増殖の時間経過を評価した。ヒト子宮頚癌由来HeLa細胞に新規分子種を発現させると、従来種同様、G_1期からS期への移行を阻害し、がん細胞の細胞増殖を完全に停止させた。さらに、新規分子種を発現する細胞の^<**>%の細胞にアポトーシスを誘導した。試験管内の実験から新規分子種はがん抑制因子としての機能を果たすことが示唆された。
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