研究課題/領域番号 |
12213110
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
児玉 靖司 長崎大学, 薬学部, 助教授 (00195744)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | Werner症候群 / ゲノム不安定性 / WRNヘリケース / 4-ニトロキノリン1-オキシド / 相補性試験 / DNA修復 |
研究概要 |
遺伝的早老症Werner症候群(WS)は、ゲノム不安定性を示し、高発がん性である。その原因遺伝子であるWRNは、RecQ型ヘリケースをコードしている。しかし、WRNヘリケースの細胞内での生理的機能や、その機能欠損がなぜゲノム不安定性を誘起し、老化と発がん性を亢進させるのかについては未解明である。そこで本研究は、WRNヘリケースの機能欠損が、どの様にしてゲノム不安定性を誘起するのかを明らかにするために行った。WS細胞は、4-ニトロキノリン1-オキシド(4NQO)に対して高感受性を示す。このWS細胞にみられる4NQO高感受性は、8番染色体移入によるWRNヘリケースの発現では相補されないが、正常細胞との雑種細胞では正常化された。すなわち、WS細胞では、WRNヘリケースの機能欠損にリンクして、二次的な変異が4NQOによるDNA付加体の修復機構に生じていることが明らかになった。さらに、WS細胞のゲノム不安定性誘発機構を探るために、WS細胞を用いてX線誘発遺伝子突然変異頻度を調べた。その結果、WS細胞は特に低線量域(1Gy程度)において、対照細胞よりも約8倍程突然変異頻度が高くなることが分かった。その原因を明らかにするために、.制限酵素で切断したプラスミドDNAを、細胞粗抽出液中で修復させる試験管内DNA切断再結合実験を行った。その結果、WS細胞の粗抽出液中で反応させると、再結合の正確性が低下する傾向がみられることが分かった。これらの結果は、WRNヘリケースが、DNA鎖切断修復の正確性を制御することで、ゲノム安定性の維持に寄与していることを示唆している。
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