研究課題
特定領域研究
(1)N-Methyl-N'-nitro-N'-nitrosoguanidine(MNNG)により誘発されたラット胃がんで過剰メチル化されたDNA断片を、ゲノム網羅的なメチル化検索法であるmethylation-sensitive-representational difference analysis(MS-RDA)法により検索した。しかし、ラット胃がんでサイレンシングされた遺伝子は見いだされなかった。(2)ヒト胃がん臨床材料を用いてMS-RDA法を行い、INSIG1遺伝子プロモーター領域CpGアイランド内5'寄り領域のメチル化と、メチル化にほぼ相関した発現低下を見いだした。また、アクチン重合調節に重要なArp2/3複合体の一つのサブユニットであるp41Arc遺伝子のエクソン8のCpGアイランドのメチル化も見いだした。メチル化と発現低下とは相関しなかったが、Arp2/3複合体の7個のサブユニットのうち複数が、胃がんで高頻度に発現低下していた。(3)ヒト胃がん細胞株を用いてMS-RDA法を行い、高度にメチル化された遺伝子5'領域CpGアイランド9個を同定した。脱メチル化剤5-aza-2'-deoxycitidine処理により、下流遺伝子(LOX.HRASLS、FLNc、HAND1、Thrombomodulin、bA305P22.2.3、RIKEN2210016F16相同遺伝子、FLJ32130、PGAR)のメチル化によるサイレンシングを確認した。始めの5個の遺伝子は、胃がん臨床材料でも41例中12-17例(29%-41%)と高頻度にメチル化され、それに伴い発現が低下していた。(4)rasトランスフォーマントに対する増殖抑制作用が知られていたLOX及びHRASLS遺伝子を、胃がん細胞に導入した。LOXについては、増殖速度、軟寒天中での形成コロニー数、ヌードマウスでの腫瘍の大きさを抑制することが示され、胃がん抑制遺伝子であることが示された。(5)胃がん手術材料93例を用いて、CpGアイランドが高頻度にメチル化される胃がんと、正常ではメチル化されたプロモーター領域CpGアイランドが高頻度に脱メチル化される胃がんとは、異なるグループを形成することを示した。
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