研究課題/領域番号 |
12213155
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
河野 隆志 国立がんセンター, 生物学部, 室長 (80280783)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 蛋白質脱リン酸化酵素遺伝子 / PPP1R3遺伝子 / 変異 / 一塩基置換多型 |
研究概要 |
近年、PTEN、PPP2R1Bという2つの蛋白質脱リン酸化酵素(PP)遺伝子のヒトがん細胞における失活変異が報告され、PPを介した細胞内情報伝達の異常ががん化に関与していることが明らかになりつつある。また、PTEN、PPP2R1Bの遺伝子多型と発がん感受性の関わりも示されている。Protein Phosphatase1(PP1)は細胞周期の調節、グリコーゲン代謝、RNAスプライシングなど多様な細胞内プロセスの調節に関わり、また、PP1の阻害剤は発がん物質として働くことが知られている。従って、PP1遺伝子群の異常はがんの発生・進展に、遺伝子多型は発がん感受性に関わることが予想される。本研究では、PP1遺伝子群のヒトがんにおけるゲノム異常、発現異常の検索、遺伝子多型の同定を行い、以下の諸点を明らかにした。 1.PPP1R3[PP1調節サブユニット3]遺伝子の変異が大腸がん、卵巣がん手術検体、白血病・リンパ腫細胞株の一部で生じていることを明らかにした。また、PP1調節サブユニット遺伝子PPP1R5、PPP1R7、PPP1R8も肺がん、大腸がんの一部で変異していることを明らかにした。また、一部のがん細胞では、PPP1R1A、PPP1R5遺伝子の発現が消失していることを見い出した。以上の結果より、PP1調節サブユニット遺伝子群の変異、発現消失により、ヒトがん細胞ではPP1による細胞内情報伝達系に異常が生じていることが示唆された。 2.PPP1R3遺伝子の新規一塩基置換多型(SNP)を5種同定し、PPP1R3は少なくとも10種のアミノ酸置換を伴うSNPが存在する多型性の高い遺伝子であることを明らかにした。
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