研究課題/領域番号 |
12213156
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
北林 一生 国立がんセンター, 腫瘍ゲノム解析・情報研究部, 室長 (20261175)
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研究分担者 |
清水 喜美子 国立がんセンター, 腫瘍ゲノム解析・情報研究部, 主任研究官 (00161414)
諸星 文子 国立がんセンター, 腫瘍ゲノム解析・情報研究部, 研究員 (20157944)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 白血病 / ヒストンアセチル化 / 細胞分化 / 転写因子 / 染色体転座 / MOZ / AML1 |
研究概要 |
ヒト白血病では高頻度に特異的な染色体転座が見られ、その結果この標的となる遺伝子産物はヒストンアセチル化酵素或いはヒストンアセチル化に関わる因子と複合体を形成することなどから、白血病発症にヒストンアセチル化の制御異常が密接に関連することが明らかになってきた。本年度は、以下のことを明らかにした。(1)急性骨髄性白血病で見られたt(8;22)染色体転座を解析して、2つのヒストンアセチル化酵素をコードするMOZ遺伝子とp300遺伝子が融合し、MOZ-p300融合遺伝子が発現することを見いだした。(2)AML1を強制発現したL-G細胞よりAML1複合体を精製した。LC/MS/MS解析によるシークエンス解析及び特異的抗体を用いたウエスタンブロットによる解析から、この複合体の中にはp300/CBP,mSin3Aの他、MOZが含まれることが示された。AML1変異体及びMOZ変異体を用いた免疫沈降による解析から、MOZの結合にはAML1の転写活性化領域が必要で、MOZにはAML1と結合する領域が2つあることがわかった。(3)AML1の結合配列を持つレポーター解析によりMOZはAML1による転写活性化を強く促進して、AML1のコアクチベーターとして機能することを明らかにし、この活性化に必要なMOZの機能ドメインを同定した。MOZはHAT活性を持つことを初めて証明し、その活性に必要なHATドメインを同定した。しかし、AML1による転写の促進には、このHATドメインは必要がないことが示された。Gal4のDNA結合ドメインとの融合蛋白質を用いた解析から、MOZのC末端領域に新たな転写活性化ドメインを同定した。MOZによる転写促進には、この転写活性化ドメインの他、2つのAML1結合ドメインと酸性ドメインの一部及びN末端領域を必要とした。一方、MOZ-CBPはMOZとは正反対にAML1による転写を著しく抑制した。MOZ-CBPをM1細胞に発現させると分化が見られなくなることから、MOZ-CBPはマクロファージヘの分化を阻害することが示唆された。
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