研究課題/領域番号 |
12213157
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
山田 哲司 国立がんセンター, 研究所・病理部, 室長 (30221659)
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研究分担者 |
広橋 説雄 国立がんセンター, 研究所, 所長 (70129625)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | P-glycoprotein / multidrug resistance-1 (MDR1) gene / β-catenin / T-cell factor-4 / 大腸発がん / 家族性大腸腺腫症 |
研究概要 |
β-cateninとTCF4転写複合体形成により発現される標的遺伝子群を同定し、大腸発がんの分子生物学的な機構を解明するために、テトラサイクリン調節性プロモータによる発現誘導システムを用い、テトラサイクリンの添加でβ-cateninとの結合部位を欠きdominant-negativeにTCF4の転写活性を抑制するTCF4BΔN30を発現誘導できる大腸がん細胞DLD-1 Tet-ON TCF4B ΔN30を樹立した。2色蛍光プローブによるcDNA microarray hybridization法で約7000遺伝子、Affymetrix社製のGeneChip法で約5600遺伝子についてテトラサイクリン誘導前後での発現変化を解析した。その結果、dominant-negative TCF4の誘導にて発現抑制される遺伝子としてMultidrug resistance gene-1(MDR1)を同定した。MDR1遺伝子のプロモーター領域には複数のβ-catenin/TCF4応答部位があり、実際に家族性大腸腺腫症患者の腺腫組織でβ-cateninの細胞内蓄積と相応したMDR1遺伝子産物p-glycoproteinの発現亢進を証明した。MDR1遺伝子は大腸上皮細胞においてβ-cateninとTCF4の転写複合体の直接の標的遺伝子の一つであると結論した。MDR1遺伝子産物p-glycoproteinの発現抑制、あるいは機能阻害により大腸腺腫形成を抑制にし、特に外科的切除を行わなければ確実に発癌に至る家族性大腸腺腫症患者や大腸癌の高危険群での発症予防への応用が期待できる。
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