研究課題/領域番号 |
12215002
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ラミニン / 基底膜 / 浸潤 / がん転移 / 細胞接着 / ペプチド / インテグリン / シンデカン |
研究概要 |
基底膜の主要糖蛋白質ラミニンの活性ペプチドの中でがん細胞の浸潤転移を最も強く促進するC-16(KAFDIYVRLKF)とA-13(RQVFVAYIIIKA)の2種類のレセプターの同定とこれらによるがん細胞の浸潤促進のメカニズムの解明を目的に研究を行った。A-13あるいはC-16を固定化したペプチドアフィニティーカラムクロマトグラフィ-やインテグリン抗体を用いた細胞接着の阻害実験により、A-13の細胞接着にはインテグリンαvβ3が関与していること、C-16にはβ1インテグリンとインテグリン以外のレセプターの2種類が関与していることが示唆される結果が得られた。C-16の細胞接着がヘパリンによって阻害されたことからC-16の第2のレセプターとしてシンデカンなどのプロテオグリカンが想定された。種々のシンデカン抗体を用いた実験から、C-16にはシンデカン-2が強く結合することがわかった。C-16の細胞接着にはインテグリンとシンデカンの両方が関与していることがわかり、これらのレセプターを介したがん細胞の浸潤転移に関するメカニズムの解明が今後の課題である。また、C-16のアミノ酸を一つずつアラニンに置換した10種類のペプチドをプレートにコートする方法とビーズに結合する方法で細胞接着活性を測定した。6位のThrと7位のTyrがプレートアッセイにおいて、9位のArgと11位のLysがビーズアッセイにおいて細胞接着活性に重要な働きをしていることがわかった。また、シンデカン-2の接着には6位のThrと7位のTyrと9位のArgが重要な働きをしていることがわかった。さらに、C-16の配列をスクランブルしたペプチドにC-16による細胞接着や浸潤を阻害するアンタゴニスト活性が示され、がんの浸潤転移を促進するペプチドの誘導体でアンタゴニストがデザインできる可能性が示唆された。
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