• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

癌細胞の浸潤におけるLIMキナーゼシグナル経路の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12215010
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東北大学

研究代表者

水野 建作  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70128396)

研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
キーワードLIMキナーゼ / コフィリン / アクチン細胞骨格 / 癌転移 / Rac / Rho / インテグリン
研究概要

癌細胞の浸潤・転移においてアクチン細胞骨格の再構築の制御が重要な役割を果たしていることが知られている。例えば、RhoやRacの活性化により浸潤・転移が亢進すること、Rhoとその下流因子ROCKを阻害することによって癌細胞の浸潤・転移が抑制されることが報告されている。私達は、LIMキナーゼ(LIMK1,LIMK2)を同定し、アクチン骨格の制御におけるRac,Rho→LIMK1→コフィリンというシグナル伝達経路の存在を明らかにした。本研究では、LIMK1,LIMK2およびその類縁キナーゼであるTESK1の上流、下流因子をさらに同定し、LIMK/TESKの関与するシグナル経路を明らかにするとともに、細胞移動と接着、特に癌細胞の浸潤・転移におけるLIMK経路の役割を明らかにすることを目的として研究を行い、以下の成果を得た。
1.LIMK1はPAKおよびROCKにより活性化されることが知られているが、本研究において、LIMK2も同様にPAKとROCKによってThr-505のリン酸化によって活性化され、コフィリンのリン酸化を介して、ストレスファイバーや膜泡の形成や接着斑の形成に関与することを明らかにした。
2.TESK1はLIMKと同様にコフィリンのSer-3をリン酸化し、細胞に高発現させると、ストレスファイバーの形成、接着斑の形成などアクチン骨格の再構築が誘導されることを見い出した。TESK1はLIMKとは異なり、ROCK、PAKによって活性化されないが、インテグリンシグナルによって活性化されることを見い出した。
3.好中球のfMLP刺激や、T細胞のSDF-1刺激によって、LIMK1が活性化され、コフィリンのリン酸化レベルが亢進することを見出した。SDF-1は、乳癌細胞の肺や肝への転移に関与することが知られており、今後、LIMK経路の癌転移への関与を明らかにしていきたい。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ohashi, et al.: "A Drosophila homolog of LIM-kinase phosphorylates cofilin and induces actin cytoskeletal reorganization."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 276. 1178-1185 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] H.Bito, et al.: "A critical role for a Rho-associated kinase,p160ROCK, in determiningaxon outgrowth in mammalian CNS neurons."Neuron . 26. 431-441 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] T.Amano, et al.: "LIM-kinase 2 induces formation of stress fibers, focal adhesions and membrane blebs, dependent on its activation by Rho-associated kinase."Biochem.J.. 354. 149-159 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] J.Toshima, et al: "Cofilin phosphorylation by protein kinase TESK1 and its role in integrin-mediated actin reorganization and focal adhesion formation."Mol.Biol.Cell. 12(印刷中). (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] H.Aizawa, et al.: "Phosphorylation of cofilin by LIM-kinase is necessary for semaphorin 3A-induced growth cone collapse."Nature Neurosci.. 4(印刷中). (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 十島二朗,水野健作: "基礎生化学実験法 第3巻 タンパク質 II.機能・動態解析法"東京化学同人(印刷中). (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi