研究課題/領域番号 |
12215015
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | eIF4G / Cap / IRES / 蛋白質合成開始 / eIF5A / ハイプシン / デオキシスパーガリン |
研究概要 |
1.動物細胞の蛋白質合成開始の律速段階は、mRNAの5'-末端のCapから40Sリボソーム亜粒子が開始コドンAUGまでmRNA上をスキャニングする過程である。この過程は、eIF4F(4A、4E、4G複合体)と、eIF4Bによるヘリカーゼにより触媒される。私たちはeIF4Gの過剰産生株ががん化を引き起こすことを見出し、eIF4Gが過剰産生された場合に蛋白質合成がどのように変化するか検討した。その結果、RNAヘリカーゼ活性が増加し、Cap依存の蛋白質合成が上昇すると同時に、IRES(internal ribosome entry site)依存の蛋白質合成も上昇することを明らかにした。また、オルニチン脱炭酸酵素(ODC)mRNAの5'-UTR(5'-untranslated region)領域にIRESが存在することを明らかにした。 2.eIF5Aは蛋白質合成開始類似反応であるMet-ピュロマイシン合成を促進する因子として分離され、細胞増殖因子ポリアミンのうちのスペルミジンをハイプシンとして共有結合で分子中に持つ唯一の蛋白質である。eIF5Aの機能発現にはこのハイプシン化が必須である。ポリアミン誘導体であり、かつ免疫抑制剤であるデオキシスパーガリンは、ハイプシン化、すなわち活性型eIF5A合成を選択的に阻害することにより細胞増殖阻害を起こすことを見出した。この際、decapped mRNAの蓄積が認められ、eIF5AがmRNAのターンオーバーに関わっていることが示唆された。デオキシスパーガリン処理後、ポリアミンを添加してeIF5A合成が回復しても細胞増殖は回復せず、decapped mRNAの蓄積が不可逆的増殖阻害を起こしていることが示唆された。
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