研究課題/領域番号 |
12215018
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
張ヶ谷 健一 千葉大学, 医学部, 教授 (40101894)
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研究分担者 |
岸 宏久 千葉大学, 医学部, 助手 (90323394)
石井 源一郎 千葉大学, 医学部, 講師 (00270869)
北川 元生 千葉大学, 医学部, 助教授 (40262026)
東 守洋 千葉大学, 医学部, 助手 (00323395)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | CD44 / 細胞運動 / 腫瘍 / 浸潤 / マトリックスメタロプロテイアーゼ / Rho / FAK / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
CD44遺伝子導入細胞を用い、CD44の細胞運動や浸潤への係わりを解析した。 1.ヒトCD44陰性肺癌細胞株にCD44cDNAを導入し、マウス皮下に移植したところ、形成された腫瘍の浸潤性が増加し、腫瘍組織中でのマトリックスメタロプロテイアーゼ2(MMP-2)の活性が増強していた。これらの細胞はヒアルロン酸存在下ではMT2-MMPの発現が亢進し、CD44と同様の局在性を示した。この結果からCD44のリガンド刺激で誘導されたMT2-MMPは組織中のMMP-2を活性化し、細胞浸潤を亢進させることが示唆された。 2.ヒトCD44陰性乳癌細胞にCD44cDNAを導入し、ヒアルロン酸存在乍で培養すると細胞運動が亢進し、この亢進はRhoの特異的阻害剤であるC3の添加あるいはdominant negative Rhoを細胞に導入すると抑制された。この細胞をヒアルロン酸で刺激すると細胞質内にアクチンのストレスファイバーが形成された。CD44のリガンド刺激によって、Rhoの活性化とそれに続くアクチンの重合を生じさせ、細胞運動を制御していることが示唆された。 3.1.と同様の細胞をヒアルロン酸及び抗CD44mAbで刺激するとfocal adhesion kinase(FAK)のチロシンリン酸化およびキナーゼ活性が増強した。 以上の結果からCD44はリガンド刺激によって細胞内にシグナルを伝達し、MT2-MMP発現亢進やRhoの活性化を通して腫瘍細胞の運動や浸潤に係わっていることが示唆された。
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