研究課題/領域番号 |
12215026
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山梨 裕司 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40202387)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / Bcr-Abl / Dok / Dok-2 / rasGAP / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
Dokは、チロシンキナーゼ活性を持つ癌遺伝子産物の基質であり、PH、PTBドメインを持つドッキング蛋白質である。また、Dokとその類縁蛋白質Dok-2はヒト慢性骨髄性白血病(CML)の血液幹細胞中で強くチロシンリン酸化される。前年度の研究から、我々はDokがB細胞の増殖とMAPキナーゼに抑制性のシグナル分子であることを発見し、それがCML発症にも抑制的に機能していると予想した。本年度は、CMLのモデル系を適用するために、Dok/Dok-2のノックアウトマウスを樹立するとともに、Srcによるトランスフォーメーションを指標に、Dokによる癌化抑制の機序を検討した。 1.Dok-2及びDok/Dok-2二重ノックアウトマウスは、生後6ヶ月までは見かけ上異常なく成長した。両者とも、8週齢での血液細胞の構成にも異常は認められなかったが、6ヶ月齢ノックアウトマウスにはリンパ組織の過形成が多く認められた。現在、この過形成の成因について解析を進めるとともに、CMLのモデルマウスであるbcr-ablトランスジェニックマウスとの交配を進めている。 2.DokはSrcによる細胞のトランスフォーメーションを抑制するが、カルボキシ端から364番目までの欠失変異体(Dok-363)はその抑制能を保持していた。しかし、さらに27アミノ酸欠失したDok-336はその抑制能を失った。この27アミノ酸にはrasGAP SH2の標的配列があり、実際、Dok-363はrasGAPと会合し、Dok-336は会合しなかった。また、Srcによるチロシンリン酸化を受けないような点変異体はその抑制能もrasGAPとの会合能も失った。以上の知見から、Dokはチロシンリン酸化されることでrasGAPをリクルートし、Ras/MAPキナーゼを阻害することでトランスフォーメーションを抑制するのではないかと考え、解析を続けている。
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