研究課題/領域番号 |
12215043
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107424)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
63,900千円 (直接経費: 63,900千円)
2004年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2003年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2002年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2000年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
|
キーワード | がん細胞の増殖 / 肝細胸増殖因子(HGF) / HGF受容体(c-Met) / シグナル伝達 / 細胞周期 / cdkインヒビターp16 / cdk2 / siRNA / 肝細胞増殖因子(HGF) / ERK経路 / 肝細胞増殖因子受容体(c-Met) / エンドサイトーシス / Hrs結合蛋白質(Hbp) / 蛋白質のユビキチン化 / MAPキナーゼ / Hrs / c-Met / がん細胞の増殖制御 / 管腔形成 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(HGF)受容体(c-Met)を介するがん細胞の増殖制御におけるシグナル伝達機構について、HGFによる肝がん細胞株HepG2の増殖抑制作用における細胞周期制御因子であるcdkインヒビターp16の役割を解析し、以下の結果を得た。 1.p16のsiRNAにより細胞内のp16のHGFによる発現誘導を阻害した時の細胞周期について解析したところ、p16のsiRNAの発現によりHGFにより抑制されたBrdUのDNAへの取り込みが回復し、またHGFによりG1期で停止した細胞周期の回復が認められた。これらの結果は、HGFにより発現が誘導されたp16がHGFによる細胞周期のG1期での停止に必要であることを示している。 2.HepG2細胞では、細胞周期を制御するキナーゼであるcdk2の活性低下が、HGFによる細胞周期の停止を誘導すると考えられている。HGFによるcdk2活性の低下とp16の発現誘導の関係を解析したところ、両者はよく相関していることが明らかになった。またHGFにより低下したcdk2活性は、p16のsiRNAの発現により回復した。これらの結果は、HGFによるp16の発現誘導が、細胞周期の停止を導くcdk2活性の低下に必要であることを示している。 3.cdk2の活性はp21やp27などのcdkインヒビターにより阻害される。p16,p21,p27とcdk4,cdk2との結合について解析したところ、HGFによりp16とcdk4との結合が増加し、またp21あるいはp27とcdk4との結合が低下し、cdk2との結合が増加した。またp16のsiRNAの発現によりこれらの結合の変化は見られなくなった。これらの結果は、HGFによるp16の発現誘導がp21およびp27のcdk4からcdk2への移行に必要であり、その結果cdk2の活性の低下が導かれることを示している。
|