研究課題/領域番号 |
12215072
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 慎治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60206753)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 発生 / がん / マウス / 幹細胞 / 細胞間相互作用 / Wnt / 遺伝子トラップ |
研究概要 |
Wntは細胞のがん化および個体発生においてパラクリン的に働く分泌性糖蛋白質である。本研究においては、Wntシグナルによるがん化と発生の制御機構の関連について調べることを目的として、まず、このシグナルによって発現が制御される遺伝子のクローニングを試みた。ここでは胚性幹細胞(ES細胞)を用いて、Wnt-3a蛋白質の添加により発現量が変化する遺伝子を遺伝子トラップ法によりスクリーニングした。その結果、トラップベクターが挿入された794個のES細胞株のうち、Wnt-3a蛋白質の添加によって発現量が上昇するものが2株、減少するものが1株得られた。そこで、5'RACE法により遺伝子トラップベクターが挿入された遺伝子の一部をクローニングしてその塩基配列を決定したところ、Wntにより発現量が上昇するタローンの一つでは既知の転写抑制因子の遺伝子が、また、減少するクローンでは新規遺伝子がトラップされていることがわかった。つぎに、マウスの発生過程においてこれらトラップされた遺伝子の発現を解析したところ、それらは腎管や胚の背側正中線などWntシグナルの関与がすでに報告されている領域で発現しており、これら遺伝子が発生過程においてもWntシグナルによって制御されていることが強く示唆された。今後、これら遺伝子の機能を解析することにより、がん化と発生がWntシグナルによりどのように制御されるのかを明らかにできるものと期待される。
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