研究課題/領域番号 |
12215075
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (90234179)
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研究分担者 |
天知 輝夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30301245)
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10151789)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 細胞接着 / ビンキュリン / 足場依存 / 細胞増殖 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
細胞の足場依存的/非依存的増殖は正常細胞とがん細胞を区別する最大の特徴の一つであり、浸潤、転移とも密接に関わっている。分子レベルで足場依存的/非依存的増殖メカニズムを詳細に明らかにすれば、がんの治療に貢献することができる。ビネキシンは細胞骨格/細胞接着と増殖因子シグナルの両者に関与すると考えられるが、細胞増殖や増殖因子シグナルの足場依存性への関与については不明であった。本研究ではビネキシンの機能解析を新しい切り口として、細胞の足場依存的増殖メカニズム、とくに増殖因子シグナル伝達の足場依存性のメカニズムの解明をめざした。通常NIH3T3細胞を非接着状態でEGF刺激しても増殖に必須なMAPキナーゼErkは活性化しない(足場依存性)。しかし、ビネキシンをNIH3T3細胞に過剰発現させると、非接着状態でもErkの活性化が起こり増殖因子シグナルは足場非依存性となった。この効果に必要なビネキシンの領域を特定したところ、ビネキシンの持つ3つのSH3領域はいずれも必要ではなく、2番目と3番目のSH3領域に挟まれたリンカー部分が重要であること分かった。さらに、ビネキシンによる足場非依存性のErK活性化は、PAK(PAKもErk活性化の足場依存性に関わると報告されている)の優性抑制変異体によって阻害された。以上の結果からビネキシンは増殖因子シグナル伝達の足場依存性に関与し、PAKの上流で機能していることが示唆された。また、ビネキシンによる細胞骨格の制御には、1番目と2番目のSH3須域が重要であることも示した。また今後のビネキシンの生理機能解明のためにES細胞のビネキシン遺伝子ヘテロノックアウト細胞を作成した。
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