研究課題/領域番号 |
12215095
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 教授 (70190402)
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研究分担者 |
山本 康子 香川県立医療短期大学, 助手 (00331869)
鍋島 一樹 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40189189)
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 接着分子 / 増殖因子 / インテグリン / カドヘリン / VEGF / CEA / 癌の転移 |
研究概要 |
(研究目的) 本研究は原発巣の腫瘍組織を材料にして、癌細胞表面の接着分子、増殖因子およびそのレセプターを検討し、転移の予測診断への応用を目的とするものである。今年度は過去の病理標本をretrogradeに主として免疫組織学的に検討し、転移と関連ある分子を見出すことを目的とした。 (研究成果) 脳転移を起こした症例の原発巣と転移巣の組織標本を用いてインテグリンの発現を免疫組織学的に検討したところ、転移巣でα3鎖の発現亢進を認めた。複数臓器への転移巣をもつ症例については、他臓器への転移巣に比較して、脳転移巣でα3の高発現が見られた。肺癌など脳転移をおこしやすい腫瘍において、α3の発現を検索することにより、脳転移の予測診断ができる可能性が示唆された。 大腸癌組織標本において、E-カドヘリンの発現を免疫組織学的に検討したところ、発現減弱例でリンパ節転移を起こす頻度が高いという結果が得られた。E-カドヘリンの発現低下は組織学的には浸潤先端部でのbuddingと相関しており、リンパ管侵襲を起こしやすいと考えられた。 乳癌組織標本についてVEGFの発現を免疫組織学的に検討し、発現亢進群でリンパ節転移陽性との正の相関を認めた。VEGFにより誘導された血管(およびリンパ管)新生のために脈管侵襲がおこりやすくなり、リンパ節転移を誘導したと考えられた。 大腸癌組織標本でCEAの発現を免疫組織学的に検討し、CEAの強陽性例、特に間質まで漏出して染色されるパターンを示す例(間質型)で肝転移をおこす頻度が高い結果を得た。CEAによる肝転移の誘導は以前より報告されているが、その理由はまだ不明である。最近、本来は膜結合型であるCEAを切断する酵素が見出され、悪性度との関係が今後、興味深いと考えられる。
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