研究課題/領域番号 |
12215105
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
釣本 敏樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30163885)
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研究分担者 |
小布施 力史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | DNA複製 / DNAポリメラーゼ / DNAメチル転移酵素 / 細胞増殖制御 / PCNA結合蛋白質 |
研究概要 |
PCNAはDNA複製の必須因子であると共に多様な因子に結合する。さらにこれにCDK/cyclinの阻害因子、p21が結合し、PCNAの機能を制御する。このp21のPCNAに対する結合と細胞増殖制御の関係を解明する目的でPCNA結合因子の解析を行った。 1.網羅的検索により、DNAポリメラーゼδ複合体、PCNAローダー蛋白質(RFC)、FEN1エンドヌクレース、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼε、MSH2、CDK2、CyclinAおよび未同定を含む20ほどのPCNA結合蛋白質が検出された。この系にp21ペプチド添加することにより因子特異的に結合が制御されることを見い出した。 2.PCNAとDNAメチル転移酵素(MeTase)の相互作用を解析した。その結果、フリーのPCNAとMeTase間では比較的弱い結合性しか観察できないのに対して、DNAに結合したPCNAとは安定な結合をすることが示された。さらにDNAに結合したPCNAを標的として、MeTaseのDNAへのリクルートが促進されることを示した。MeTaseのPCNA上の結合部位を決定した。これらはp21の結合部位と重複し、p21と競合的に結合すると考えられた。実際にMeTaseのDNAへの相互作用はPCNAにより促進され、p21がこれを抑制した。 3.組み換え型DNAポリメラーゼδを再構築により、p21添加時と同様の活性抑制が、PCNA結合モチーフの保持状態の違いで観察され、p21によるPCNA依存的DNAポリメラーゼの活性制御機構を説明するモデル系が構築された。 以上より、S期核内でPCNAは複製中の染色体構造維持に多面的機能を持ち、p21がそれに対する統括的制御の役割を持つことが示唆された。
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