研究課題/領域番号 |
12215114
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中山 啓子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60294972)
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研究分担者 |
小南 欽一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80304830)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | p27 / Skp2 / ユビキチシリガーゼ / サイクリンE / ノックアウトマウス / 染色体倍数性異常 / 中心体過剰複製 |
研究概要 |
これまでに様々な発癌モデルマウスが作製されてきたが、その多くがリンパ腫など肉腫を好発し、ヒト悪性腫瘍の大部分を占める癌腫を好発するものは少ない。ヒト癌では、細胞周期の進行に必須なサイクリンEが過剰発現し、細胞周期の進行を負に制御するCDKインヒビターp27の発現が低下している例が多くみられる。そこで私達は、細胞周期関連蛋白の生化学的状態をがヒト癌と類似した環境であるp27を持たずサイクリンEが過剰に発現しているマウスを作出し、ヒト発癌のメカニズムの解明とモデルマウスとしての可能性を検討した。昨年、われわれが報告したSkp2ノックアウトマウスは、サイクリンEとp27のユビキチンリガーゼであるSkp2を欠失するマウスであり、サイクリンEとp27の過剰蓄積が観察された。それにともない染色体の倍数性異常、核の増大、中心体の過剰複製が認められた。このマウスをp27ノックアウトマウスと交配しSKp2/p27ダブルノックアウトマウスを作製した。このマウスはp27遺伝子が破壊されているためにp27の蓄積はなく、サイクリンEのみが過剰蓄積したマウスとなる。このマウスではSkp2単独ノックアウトマウスでみられた、染色体倍数性の異常や中心体の過剰複製はみられず、むしろ正常に戻っており、有意な発癌率の上昇も認められなかった。Skp2ノックアウトマウスより調整された胎児線維芽細胞の細胞抽出液を用いて生化学的特性を調べたところ、Skp2ノックアウト細胞ではCdc2活性が低下していることが判明した。このことよりp27の分解抑制による過剩積によるCdc2活性の抑制が染色体倍数性の異常や中心体の過剰複製の原因になっていると結論された。
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