研究課題/領域番号 |
12215130
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | AML1 / AML1-MTG8 / RUNX1 / ETO / 白血病 / 染色体転座 / 転写因子 / ES細胞 |
研究概要 |
AML1(PEBP2αB)遺伝子は成体型造血の初期発生において必須となる転写因子をコードし、その融合型遺伝子変異は高率にヒト急性白血病症例に合併する。当該研究では、8;21染色体相互転座によって形成されるAML1-MTG8(ETO)融合型遺伝子による白血病発症過程を検討することをその目的としている。本年度は、この融合遺伝子をノックインさせたマウスES細胞を作出し、これを用いてキメラマウスを作成した。そしてこれらのマウス群を検討し、以下の諸点を明らかにした。 1.AML1-MTG8遺伝子を片方のAML1遺伝子座にノックインさせたES細胞と、対照として、同じノックインベクターがランダムにインテグレーションしたES細胞とを用いて複数のキメラマウスを作成した。 2.グルコースリン酸イソメラーゼ(GPI)のアイソザイムを指標としてキメラマウス(成獣)の末梢血におけるES細胞の寄与率を検討したところ、多くのマウスにおいて、AML1-MTG8ノックインES細胞クローンが末梢血造血に貢献していることを見い出した。 3.AML1-MTG8ノックイン細胞はキメラマウスの正常ライフスパン内では白血病化をほとんど生じなかった。 4.現在AML1-MTG8ノックインES細胞をもつキメラマウスに対して、白血病の化学誘発実験を施行中である。 以上の結果は、AML1-MTG8単独では白血病を発生できないとするこれまでの認識を再確認するものであった。一方、キメラマウス内のAML1-MTG8クローンが付加的変異の追加によって容易に白血病発症を引き起こす母体となっているか否かについては、当該研究における致死以下量のENUを投与したコホートのフォローアップによって、その回答が得られるものと期待される。
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