研究課題/領域番号 |
12215148
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | アンチザイム / オルニチン脱炭酸酵素 / ポリアミン / ノックアウトマウス / 発がん実験 / 培養胎児線維芽細胞 / 形質転換 / 部分致死性 |
研究概要 |
発がんの過程でポリアミンとその合成律速酵素オルニチン脱炭酸酵素(ODC)の制御異常が起きることが知られている。本研究では、細胞内ポリアミンの制御因子アンチザイムの欠損が発がん過程に関与するかどうかを、主要分子種のAZ1ノックアウトマウスと、これに由来する培養細胞を用いて検討した。 個体レベルでは、異なる遺伝的背景のAZ1欠損マウスを長期間(最長2年)飼育したが自然発がんの増加は認められず、7,12-dimethylbenz(a)anthracene(DMBA)とTPAの皮膚塗布による二段階発がん実験においても発がん傾向の増大を検出することはできなかった。AZ1欠損・非欠損マウスの間で、組織ODC活性は出生前には大きな差があるが成体では差がきわめて小さくなることが判明し、これが成体の発がん傾向が増大しない原因である可能性がある。 次にC57BL/6に戻し交配したヘテロ接合体同士を交配し、胎生13.5日の胎仔から初代培養線維芽細胞を調製した。AZ1欠損の有無で細胞の形態、増殖速度、アポトーシス細胞の比率には有意差がなく、欠損細胞を長期間維持しても自然形質転換は認められなかった。SV40 Large T遺伝子導入時にはAZ1欠損、非欠損両細胞ともに同程度の形質転換効率を示し、それらの形態や増殖速度は遺伝子型間よりもクローン間で大きく異なっていた。生化学的には、AZ1欠損細胞のODC活性やポリアミンの増加は小さく、欠損細胞にもアンチザイム活性が検出されたことから、AZ2などAZ1以外のアンチザイム分子種が制御機能を代償しているものと考えられる。 この他、AZ1とAPC、p53各遺伝子との二重変異マウスの作製を開始した。また、AZ1欠損マウスが示す部分致死性の解析を進め、欠損マウスの発生学的異常を見いだした。
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