研究課題/領域番号 |
12215173
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪府立成人病センター研究所 |
研究代表者 |
伊藤 和幸 大阪府立成人病センター研究所, 部長 (20301806)
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研究分担者 |
吉岡 潔子 大阪府立成人病センター研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | Rho / Rho kinase(ROCK) / がんの浸潤 / 骨転移 / LIMキナーゼ / 分子標的治療 / 阻害薬 |
研究概要 |
細胞内分子スイッチであるRho-Rho kinase(ROCK)系を分子標的とした浸潤、転移治療法の開発を進める過程で、以下の2つのことが新たに明らかとなった。 1.Rho-ROCK系のlysosomal enzymeの細胞内分布に与える影響(論文1) 浸潤に関連するlysosomal proteinaseであるcathepsinDの細胞内局在に与える影響を、活性型RhoA(VRho)のcDNAの発現実験とROCKの特異的阻害薬Y-27632を用いて検討した。Rat腹水肝がんMMI cellsにVRhoAを恒常的に強制発現させると、cathepsin Dの活性化に関連して、その細胞内局在がperinuclear regionからcyrosol全体に再分布すること、Y-27632 10μMの処理にて再分布したcathepsin D顆粒が元のperinuclearに戻ること、その動きがmicrotubuleのdynamicsと連動している事が明らかとなった。さらにnocodazoleによるmicrotubule脱重合の際も同様の再分布が認められる事から、がん遺伝子Rasによる細胞内cathepsinDの活性化、再分布の一部はRho-ROCK系を介していること、ROCK阻害薬の浸潤阻害作用の一部がcathepsin Dの活性化抑制を介していることが推論された。 2.ヒト乳がん細胞株の浸潤におけるRho-ROCK-LIMK系の関与について(論文3,4) ヒト乳がん細胞の浸潤におけるRho-ROCK-LIM kinaseの関与が示唆された。LIMkinaseは増殖能に影響を与えず、又ミオシン分子モーター活性を変えることなくアクチン細胞骨格系を制御し浸潤能を調節していることから、LIM kinaseを分子標的とした浸潤転移治療法の開発が考案され、現在LIM kinase特異的阻害薬のscreeningを進めている。
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