研究課題/領域番号 |
12217016
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大泉 康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00006355)
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研究分担者 |
斉藤 真也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80271849)
松永 公浩 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90222306)
中畑 則道 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60045804)
中谷 圭吾 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (60281979)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | アポトーシス / アルテラミドA / オフィオボリンA / カスパーゼ3 / ハレナキノン / PI3キナーゼ / 血管新生 / ゴニオドミンA |
研究概要 |
近年、血管新生阻害およびアポトーシス誘導療法が新しいがんの治療法として注目されている。そこでまず、海洋生物、カビおよび薬用植物由来の化合物についてアポトーシス誘導活性を検討した。その結果、10種の化合物に顕著なアポトーシス誘導作用を見いだした。そのうちカビ由来のアルテラミドAおよびオフィオボリンAは、JNK1/2のリン酸化を促進し、アポトーシスの実行因子であるカスパーゼ3の活性化を引き起こすことが明らかになった。次に、これまでの研究で、アポトーシス誘導物質ハレナキノンが、PI3キナーゼを阻害することを見出した。そこで、種々の誘導体を合成し、構造活性相関を検討したところ、ハレナキノンの3位のケトンが活性発現に重要な役割を果たしていることが明らかになった。ハレナキノンと類似した部分構造を有するアポトーシス誘導物質ワートマニンが、分子内ケトンを介したマイケル付加によりPI3キナーゼと不可逆的に結合することにより、PI3キナーゼ阻害作用を示すことが報告されていることから、ハレナキノンはワートマニンと同様の作用機序で活性を発現しでいることが示唆された。固形がん組織は自らの高い代謝を維持し増殖するために、様々な誘導因子を放出することで血管の新生を促進し、栄養の供給を図ろうとする。従って、がんによって誘導される血管新生を特異的に阻害することが出来れば、がんの治療における優れた治療法が確立すると期待されている。血管新生阻害作用を有することを見出したゴニオドミンAが、アクチンのストレスファイバーの形成を阻害することを見出した。さらに、G蛋白質のβγサブユニットおよびRhoを強制発現させた細胞においても、アクチンのストレスファイバーの形成を阻害した。これらの結果より、ゴニオドミンAはRho以下の経路に作用してストレスファイバイーの形成を阻害しているいることが示唆された。
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