研究課題/領域番号 |
12217026
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 祐輔 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70217909)
|
研究分担者 |
古川 洋一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20272560)
田中 敏博 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー(研究職) (50292850)
荒川 博文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70313088)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
2000年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
|
キーワード | マイクロアレー / がんの個性診断 / 抗がん剤感受性 / 発現情報解析 |
研究概要 |
抗がん剤治療の効果を治療開始前に予測することはできず、多くの患者に対しては副作用によって患者を苦しめるだけという状況が数十年にわたって続いている。この重要な臨床上の問題を解決するためには、「がんの個性」についての遺伝子レベルでの評価法を確立し、個々のがん患者に対してより適切な「オーダーメイド的」な治療を提供することが不可欠である。がん細胞の個性は、細胞内で機能している遺伝子産物の総和を反映していると考えられることから、cDNAマイクロアレーを利用してがん組織における数万種類もの遺伝子の発現レベルを調べ、これらの結果と個々の患者のがんの広がりやがん細胞の悪性度、あるいは、がん細胞の放射線治療や化学療法に対する有効性などを比較検討することを行った。まず、はじめにcDNAマイクロアレーを利用して少量の臨床材料から精度の高い遺伝子発現情報を得るために、レーザーキャプチャーによるマイクロダイセクション(LCM)法とT7-RNA増幅法を併用する方法を確立した。これらを用いて、卵巣がん・大腸がん・肝臓がん計50以上の症例における23000種類の遺伝子の発現情報を解析した。これらによって、がんに共通して発現が増加、あるいは、減少している一群の遺伝子を同定した。さらに、同一の抗がん剤プロトコールで治療を受けた食道がん臨床検体を用いて抗がん剤感受性遺伝子の検索を行ったところ、52種類の遺伝子の発現レベルと予後が関係している可能性を示すデータを得た。これらの発現レベルをDRS(Drug Response Score)として数値化する方法を設定したところ、長期生存群と短期死亡群では有意な差があることが確認された。さらに、同一抗がん剤プロトコールで治療を受けた追加症例を検討したところ、DRS値と予後が相関していることが確認され、DRSがこの抗がん剤治療プロトコールの効果判定予測に有用であることが示された。
|