研究課題/領域番号 |
12217046
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山田 一郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90182518)
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研究分担者 |
松尾 崇 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00165771)
黒岩 俊彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80129832)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | MRI / 拡散画像 / 灌流画像 / MR血管撮影 / がん / 血流 / 拡散係数 / 病理組織学 |
研究概要 |
1.肝腫瘍を疑われる症例についてエコープラナー法による拡散強調画像を撮像した。肝腫瘍の拡散係数Dと灌流分数fを計算し、病理組織像との比較をおこなった。肝細胞癌、転移、血管腫および嚢胞はそれぞれ異なる拡散係数Dと灌流分数fを持つことが明らかになり、これらの値の組み合わせによって肝腫瘍の鑑別診断が可能になることを明らかにした。充実性腫瘍では見かけの拡散係数ADCは真の拡散係数Dよりも大きい値を示し、ADCには灌流の影響が含まれることを証明した。 2.唾液腺腫瘍を疑われる症例についてSPLICE法による拡散強調画像を撮像した。唾液腺腫瘍の見かけの拡散係数ADCを計算し、病理組織像との比較をおこなった。唾液腺の癌腫、腺腫および嚢胞はそれぞれ異なるADCを持つことが明らかになり、ADC値によって唾液腺腫瘍の鑑別診断が可能になることを明らかにした。SPLICE法による拡散強調画像ではエコープラナー法に比べて、頭頚部領域においてアーチファクトのない明瞭な拡散強調画像とADCマップが得られることを証明した。 3.食道癌と胃癌の手術材料についてスピンエコー法による高分解能MRIを撮像した。食道癌と胃癌の壁深達度を高分解能MRIで評価し、病理組織所見との比較をおこなった。高分解能MRIは食道壁と胃壁の層構造を明瞭に分離して描出できることを明らかにした。さらに、高分解能MRIによって診断した食道癌と胃癌の壁深達度は病理組織学的な壁深達度とよく一致することを明らかにした。高分解能MRIは食道癌と胃癌の病期診断において高い診断能を示し、術前における病理組織学的病期診断を可能とする方法であることを証明した。 4.今後とも、様々な実験を行うことによって全身臓器における撮影方法を最適化するとともに、種々のがんにおける血流診断を施行して臨床的な有用性をさらに追求していく予定である。
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