研究課題/領域番号 |
12217060
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中島 泉 名古屋大学, 医学部, 教授 (40022826)
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研究分担者 |
鈴木 治彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90283431)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | メラノーマ / メラニン産生 / がん遺伝子 / RET / トランスジェニックマウス / c-Kit / Wv / Wvマウス / 抗c-Kit抗体 |
研究概要 |
オゾン層の破壊による有害紫外線の増加により、悪性黒色腫は世界で最も増加率の高い癌の一つとなっており、悪性黒色腫の治療法の確立は人類が早急に解決すべき重大な課題である。先に研究代表者らは、metallothionein-Iをプロモーター・エンハンサーに用いてがん遺伝子RFP/RETを導入し、メラノサイト系腫瘍を必発するREP/RETトランスジェニックマウスを樹立した。この系では当初、良性のメラノサイト系腫瘍が出現するものの悪性のメラノーマは現れなかった。その後、このマウスとC57BLマウスの交配をくり返すことによって、悪性メラノーマに転化する新しい系(RFP-RET/B6)を樹立することができた。本系は自発的皮膚発症悪性メラノーマの世界で唯一のモデルとして、新規治療法の開発に有用と考える。 一方、c-Kitが生体内のメラニン産生に関与しており、メラノサイトや一部の悪性メラノーマにc-Kitの発現が確認されている。そこで、本研究では、RFP/RETトランスジェニックマウスとc-Kitの機能が著しく低下したWv/Wvを交配してWv/Wv-RFP-RET/B6を樹立して腫瘍の発生のレベルを調べた。その結果、この系では悪性のメラノーマは出現せず、良性のメラノサイト腫瘍の発生も強く抑制されていることが判明した。本研究では、悪性メラノーマの発生におけるRETとc-Kitのそれぞれの役割を解析した。その結果、RETの発現のレベルは腫瘍の増殖に伴って3相性に変化すること、c-Kitの発現が活性型RETの働きで増強すること、発現が増強したc-Kitによるメラニン産生の促進がメラノーマの発生と増殖に重要な因子である可能性が示唆された。また、抗c-Kit抗体をRFP/RETトランスジェニックマウスの出生時に投与することでメラノーマの発生を長期にわたって抑えるという予備的な成績を得た。
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