研究課題/領域番号 |
12217063
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
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研究分担者 |
脇田 利明 三重大学, 医学部, 助手 (50324512)
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 腎癌 / プロテインCインヒビター / プラスミノゲンアクチベーター / 転写調節領域 / Sp1結合部位 / AP2結合部位 |
研究概要 |
近年、我国においても腎癌の発生率は増加の-途にあり、その発生機序の解明、検査診断法および治療法の開発は重要かつ緊急な社会的要請課題である。腎癌の発生機序については未だ不明な点が多く、腎癌の腫瘍マーカーさらにはその治療法に関しても未だ確立されていない。我々は、最近、腎癌患者の摘出癌部では非癌部に比較してプロテインCインヒビター(PCI)の発現が著しく低下していることを見い出した。PCIは、肝臓や腎臓で産生される血漿セリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)の一つで、癌の浸潤・転移に密接に関与するウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベーター(uPA)を阻害することが知られている。このような背景の基、本年度は、腎癌におけるPCI発現低下機序の解明のために、腎近位尿細管上皮細胞におけるPCIの転写調節領域に関して検討を行うと共に、癌の浸潤におけるPCIの役割に関しても検討を行った。まずはじめに、腎臓における主要な産生細胞である腎近位尿細管上皮細胞におけるPCIの転写調節領域をルシフェラーゼをレポーター遺伝子として解析した結果、そのプロモーター領域としてはSp1結合部位が、エンハンサー領域としてはAP2結合部位が重要であることが明らかになった。次に、腎臓癌細胞の浸潤・転移におけるPCIの影響について、マトリゲルを用いたin vitro癌細胞浸潤モデルを用いて検討を行った。その結果、PCIは株化腎癌細胞であるCaki-1細胞のマトリゲルへの浸潤能を低下させることが明らかになった。次に、PCIを強制発現させたCaki-1細胞を作製し、その浸潤能の変化を同様に検討したところ、PCIcDNAを含まない発現ベクターを挿入して作製したPCI非発現Caki-1細胞(Caki-Mock細胞)に比較してPCIcDNAを含む発現ベクターを挿入して作製したPCI強制発現Caki-1細胞(Caki-PCI細胞)の浸潤能は著しく低下することが明らかになった。また、Caki-PCI細胞の培養上清中のuPA-PCI複合体は、Caki-Mock細胞のそれに比較して著しく増加していることが明らかになった。
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