研究課題/領域番号 |
12217079
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 真人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10172355)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | ハイブリッドベクター / ガン胎児抗原 / ナトリウムチャンネル / ラムダファージ / 細胞膜 / 核膜 / Protein Transduction Domain / 膜融合リポソーム |
研究概要 |
遺伝子治療の実用化のためには、既存のシステム(組換えウイルスや合成高分子)の限界を越えた新しい遺伝子導入・発現系の開発を進めなければならない。本年度は、膜融合リポソームなど我々が提唱してきたハイブリッドベクターの大量調製法を、新しいリポソーム作製法や特殊なゲル濾過法を用いて確立し、その物理的・生物学的性状(均一な直径250nmを持ち凍結できる等)を明らかにすると共に、その投与条件について検討し、灌流圧を調整すれば生体に障害をもたらさずに投与できることを見いだした。 また、強い細胞障害作用を持った変異ナトリウムチャンネルcDNAを癌マーカーCEAのプロモーターにつないで癌特異性を持たせたキメラ遺伝子を作成し、これを封入したハイブリッドベクターを使って、ヌードマウスにヒト胃癌を播種して作成した胃癌腹膜転移モデルの遺伝子治療への応用に成功した。この成果は、正常細胞と癌細胞が組織内で複雑に混在している手術不能例でも、癌細胞特異的に発現するように工夫した致死性遺伝子を膜融合リポソームに封入して無差別に遺伝子導入することによって、癌細胞だけをすべて殺傷するできることを示している。 さらに、細胞膜と核膜を共に通過する活性が報告されているProtein Transduction Dom ain(PTD)と呼ばれるペプチドを呈示したラムダファージを作成し、このファージ粒子を培養液中に加えるだけで動物細胞に遺伝子を導入できることを見いだした。その活性は陽荷電リポソームよりも高く、血清で阻害されず、endocytosisに依存していなかった。またこの系を使ってin vivoでマウスの肝臓に直接遺伝子導入することも明らかにした。
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