研究課題/領域番号 |
12217083
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
キーワード | 遺伝子治療 / 遺伝子発現 / クロマチン / ヒストンアセチル化 / 自殺遺伝子治療 / 癌治療 |
研究概要 |
癌に対する遺伝子治療の効果を高める目的で導入した遺伝子の発現増幅系の開発を行い、担癌マウスモデルでその効果を検証した。遺伝子発現増幅系としてセムリキ森林ウイルス(SFV)のレプリケースによる導入遺伝子の増幅を試みた。RNAを試験管内で合成して導入すると増幅がおこったが、plasmid DNAの形で導入してもBHK-21細胞以外の細胞では増幅がおこらなかった。次にクロマチンレベルでの転写制御をさらに増強させるためヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤を併用した導入遺伝子発現の増強系について研究を展開した。藤澤製薬の抗癌剤FR901228はHDAC阻害剤としてはたらき、遺伝子発現を増強できる。LacZ,Luciferase遺伝子をマウスメラノーマ細胞B16-F1導入してFR901228をかけると100nMで遺伝子発現を50倍増強できた。NIH3T3細胞では5000倍の増強があった。この増強はFR901228の量に依存して転写レベルでおこり、導入遺伝子が染色体外にあっても染色体に組み込まれていても同様におこった。またDNA microarrayを用いた検索から内在性の遺伝子の0.8%しかは発現が亢進せず、その増強も4倍以下であった。そこでマウスメラノーマを皮下に接種し、直径が7-8mmになったところでルシフェラーゼ遺伝子とFR901228を導入すると10μgの薬剤量で50倍の遺伝子発現が誘導された。この時の導入はHVJ-cationicliposomeが最も効率がよかった。そこでHSV-tk遺伝子とガンシクロビルを用いた自殺遺伝子治療にFR901228を併用すると劇的に自殺遺伝子治療の効果が増強され、約半数のマウスに完全寛解がおこり、これらマウスは腫瘍の再接種にも抵抗性を示した。
|