研究課題/領域番号 |
12217096
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西山 正彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (20198526)
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研究分担者 |
高野 裕士 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (90314773)
峠 哲哉 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40034657)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | がん治療 / 消化器がん / オーダーメード治療 / 分子標的治療 / 化学療法 / 遺伝子発現解析 / cDNAマイクロアレイ / 探索的臨床研究 |
研究概要 |
消化器がんオーダーメード化学療法(遺伝子診断・治療システム)の確立を大目的とし、消化器がんで汎用される5抗がん剤を対象に、NADPH/チトクロムP450還元酵素、NADPH/キノン酸化還元酵素、グルタチオンS転移酵素π、ジヒドロピリミジン脱水素酵素、多剤耐性随伴蛋白、β-チューブリン、O^6-メチルグアニンDNAメチル転移酵素(MGMT)の7種の遺伝子の発現解析を行い、計12種の化学療法のなかから至適治療を選択するオーダーメード初期モデルについて探索的臨床研究を行った。また、cDNAマイクロアレイを用いて多量の遺伝子発現情報も収集、臨床データとの照合からさらに有用な診断指標(効果増強の標的)の策定を試みた。研究は倫理委員会の承認を受け、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(案)に沿って参加の意志を文書で確認した高度進行、再発胃がん症例のみを対象に実施した。予後調査など研究は現在も継続中であるが、30症例の参加を得、オーダーメード化学療法群、対照群各15例で検討した。 前者では1例で腫瘍の完全消失(CR)、5例で有意な縮小(PR)が認められ、観察された有害事象はgrade2までと対照群に比べてきわめて軽微であった。臨床有用性の感触が得られたことから、ヒト消化器がん細胞10株を用い、抗がん剤のさらなる効果増強につながる7遺伝子の新たな生物学的特性を探索した。その結果、MGMTがDNAトポロジーと密接に関連すること、同DNA修復酵素を標的とすることでトポイソメラーゼ(TOPO)I阻害剤のみではなくTOPOII阻害剤の効果増強も可能となることが明らかとなった。しかしながら、cDNAマイクロアレイ発現解析で観察された個々の遺伝子発現プロファイルは極めて多岐にわたり、クラスタリング解析によっても薬剤応答の指標となる遺伝子あるいは発現プロファイルを新たに特定することはできなかった。
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