研究課題/領域番号 |
12217104
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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研究分担者 |
薬師神 芳洋 愛媛大学, 医学部, 助手 (30294797)
酒井 郁也 愛媛大学, 医学部, 助手 (10205700)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 白血病 / 細胞傷害性T細胞 / 免疫療法 / 遺伝子治療 / WT1 / HLA |
研究概要 |
白血病に対する免疫遺伝子治療の開発の目的で研究を遂行し、以下の結果が得られた。 転写因子であるWT1は多くの白血病細胞で高発現されているが正常細胞にはほとんど発現されていないことから、WT1は白血病免疫療法の理想的標的抗原と考えられた。まず、日本人の60%以上が陽性であるHLA-A24(HLA-A*2402)のアンカーモチーフを有する9merのWT1由来ペプチドを作製した。健常人末梢血単球から誘導した樹状細胞にWT1ペプチドをパルスし、CD8陽性T細胞を繰り返し刺激した。その結果、WT1ペプチド特異的HLA-A24拘束性CD8陽性細胞傷害性T細胞(CTL)クローンを樹立し、TAK-1と名付けた。TAK-1はWT1を高発現している白血病細胞のうちHLA-A24陽性細胞に対してのみ細胞傷害性を示したが、HLA-A24陰性ならびにWT1発現を認めないリンパ腫由来細胞に対しては細胞傷害性を示さなかった。また、線維芽細胞や末梢血リンパ球などの正常細胞は、HLA-A24の有無に関わらず細胞傷害性を受けず、TAK-1は正常骨髄細胞増殖にも影響を与えなかった。次に、WT1特異的CTLクローンにHerpesvirus saimiri(HVS)を接種し、HVSによってTAK-1を不死化させた。不死化TAK-1は、本来の機能を維持したまま長期間の培養が可能であった。さらに、Herpes simplex virus thymidine kinase(TK)遺伝子をレトロウイルスベクターを用いて不死化TAK-1に導入した。現在、TK遺伝子導入不死化CTLの生体内での白血病細胞増殖抑制効果とガンシクロビルによる人為的排除を、ヒトがん細胞移入SCIDマウスの実験系で検討中である。 本研究から得られた結果は、白血病に対する新たな免疫遺伝子治療の開発に結びつくものと考えられ、臨床応用を目指した検討を進めている。
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