研究課題/領域番号 |
12217131
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
久米 晃啓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10264293)
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研究分担者 |
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 助手 (20311938)
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルス / 血管新生 |
研究概要 |
1)血管新生抑制因子NK4およびsFlt発現アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを構築して抗腫瘍活性を検討した。ヒト卵巣がん細胞HRAまたはRMG1に遺伝子導入し、発現細胞株(HRA/Nk4およびRMG/sFlt)を樹立し、培養上清中へのNK4とsFltの分泌を確認した。In vitroにて、HRA/NK4の遊走は対照に比べて著明に抑制され、またRMG/sFltが分泌するsFltが血管内皮増殖因子(VEGF)の作用に拮抗した。ヌードマウスへの腹腔接種実験では、HRA対照群では著明な腹水貯留に伴い15日目までに全例が死亡したのに対し、HRA/NK4接種群では腹水貯留は抑制され、生存期間が有意に延長した。接種8日後の腹膜播種腫瘍数も、HRA/NK4(30±13)が対照(114±35)より有意に少なかった。一方、RMG対照群が著明な血性腹水貯留を伴い平均55日で死亡したのに対し、RMG/sFl接種群では腹水貯留抑制と生存延長(平均70日)が認められた。腹腔内接種5週後の腹水貯留は、対照群平均1.66mlに対し、RMG/sFlt接種群は平均0.1mlと著明に減少していた。 2)アデノウイルスとのハイブリッドを応用したAAVプレパッケージング細胞開発に着手した。プレパッケージング細胞安定化のためにはRep蛋白質発現の人為的制御が必要であり、この目的でRepの局在を制御する系と可逆的アンチセンス発現による制御系を検討したが、いずれによっても誘導的AAVベクター産生が可能だった。ただし、プレパッケージング細胞の継代につれてAAV産生が低下したため、より厳格なRep制御を目指して検討中である。また、腫瘍細胞特異的かつ高効率な自殺遺伝子導入を目的として腫瘍内AAV複製システムの開発にも着手した。アデノウィルスE1遺伝子(特異性を得るためE1B55kを欠失)搭載AAVベクター・AAV蛋白質発現カセット搭載アデノウイルスベクターを併用して、数種のp53欠損脳腫瘍株においてAAVベクターを特異的に複製させ得た。
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