研究課題/領域番号 |
12217149
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
|
研究分担者 |
竹之山 光広 産業医科大学, 医学部, 助手 (10309966)
吉松 隆 産業医科大学, 医学部, 助手 (70279339)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 肺癌 / 腫瘍特異的免疫療法 / 腫瘍抗原 / 細胞傷害性Tリンパ球 |
研究概要 |
本研究は非小細胞肺癌に対する新しい治療法の開発、免疫療法の応用を最終目標とし、本年度は肺癌に対するCTLクローン樹立、およびその認識する腫瘍抗原の同定を研究実施計画として掲げた。 肺癌切除標本より肺癌細胞株16株を樹立し、うち8株にcostimulatory moleculeであるCD80遺伝子の導入を行いstable transfectantを作製した。CD80遺伝子導入を行った8例において自己リンパ球と共培養を試み、全例で自己腫瘍特異的CTLの誘導に成功した。さらに限界希釈法により5症例(腺癌2例、扁平上皮癌1例、大細胞癌1例、腺扁平上皮癌1例)からCTL cloneを樹立した。cDNA発現クローニング法により扁平上皮癌株B1203LではCTL cloneの認識する抗原として、点突然変異を含む転写因子NF-YCの遺伝子産物がエピトープとして同定された。腺扁平上皮癌株A529L、大細胞癌株A904Lに対するCTL cloneはその細胞障害パターンより自家癌特異的抗原を認識していると考えられる。一方、肺腺癌株A110L、B203Lにおいては自己腫瘍以外にも肺腺癌、肺扁平上皮癌、メラノーマをも各々HLA-Cw12,HLA-A24拘束性に傷害するCTL cloneが得られ、cDNA library発現クローニングを施行中である。これらcloneが認識する腫瘍抗原は他の腫瘍にも発現しているので、これらを同定することにより、共通抗原として特異的腫瘍免疫療法のターゲットになる可能性がある。このように、肺癌患者リンパ球から自己腫瘍特異的CTLが誘導可能であることから、肺癌患者においても多くの症例で特異的免疫療法の標的となりうる癌特異抗原があることが明らかにされつつある。今後、癌特異的免疫療法への応用を目指すとともに、生体内での免疫応答の解明に取り組みたい。
|