研究概要 |
ヘパラナーゼ活性化機構の解析を目的として、ヘパラナーゼmRNAの定量法をRT-PCR法で検討を行った。様々なプライマーの組み合わせを試行した結果,活性型ヘパラナーゼの全ての配列を含む条件で最適化することができた。この方法を用いて、様々なヒト培養細胞におけるヘパラナーゼの発現量を比較した結果,正常肺繊維芽細胞であるWI-38細胞においては発現量が低く、また、ほとんどの培養がん細胞では発現の亢進がみられた。しかし、肝細胞がん由来のHepG2細胞においてはその発現レベルが低く,正常細胞であるWI-38細胞と同程度であった。 また、ヘパラナーゼ阻害剤の探索系に用いる酵素を過剰発現細胞から得るために,ヘパラナーゼ過剰発現細胞の樹立を試みた。最初にヒト肺がん細胞のA549細胞から、全長のヘパラナーゼ遺伝子のクローニングを行った。配列を確認後、C末端にMycとHisのタグをつけた哺乳類発現用ベクターにサブクローニングをした。現在、ヘパラナーゼ低発現細胞であるHepG2細胞に遺伝子を導入し,ヘパラナーゼ高発現細胞のクローン化を行っている。
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