研究課題/領域番号 |
12217162
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
水口 裕之 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 研究員 (50311387)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / ファイバー / ターゲッティング |
研究概要 |
アデノウイルスベクターは感染域が広く、多くの種類の細胞に遺伝子導入が可能であるが、本ベクターの問題点のひとつに、ベクターの感染域に組織特異性がないことや、アデノウイルス受容体(coxsackievirus and adenovirus receptor;CAR)の発現がない細胞には感染できないことがあげられる。そこで本研究では、任意の挿入したい外来ペプチドに相当するDNAをウイルス表面タンパク質のファイバーDNA領域に導入し、CARだけでなく、挿入したペプチドに親和性のある細胞表面上の受容体(タンパク質)を認識しても感染できるファイバーミュータントアデノウイルスベクターシステムの開発を行った。本年度は以下の結果を得た。 1)アデノウイルス全ゲノムを含むベクタープラスミドのファイバータンパク質のHIloopをコードしている遺伝子配列部分に、ユニークな制限酵素部位を挿入し、任意の挿入したい外来ペプチドに相当する合成オリゴDNAを、ワンステップのin vitroライゲーションでアデノウイルスDNAに導入できるシステムを開発した。 2)モデルとして作製したαvβ3あるいはαvβ5インテグリンとの結合能を有するRGD配列をファイバーに導入したアデノウイルスベクターが、野生型のファイバーを有したベクターと比較し、アデノウイルス受容体の発現が乏しい種々の細胞(癌細胞、マウス由来細胞、血管平滑筋細胞、血球系細胞など)において10-1000倍の遺伝子導入活性を示すことを明らかにした。 現在RGD配列をファイバーに導入したアデノウイルスベクターを用いた癌遺伝子治療モデル研究を行うと共に、真にターゲッティング能を有したベクターシステムの開発にも焦点を当てて、研究を進めている。
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