研究課題/領域番号 |
12217175
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
葛島 清隆 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (30311442)
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研究分担者 |
鶴見 達也 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 部長 (90172072)
中州 章 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (50198107)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | EBウイルス / 日和見リンパ腫 / 骨髄移植 / 細胞障害性T細胞 |
研究概要 |
近年、増加の一方である骨髄や固形臓器移植患者、あるいはエイズ患者の予後を大きく左右する因子のひとつが、Epstein-Barr virus(以下EBV)関連日和見リンパ腫(LPD)の発症である。この疾患は免疫抑制剤などによって、EBV特異的CD8^+細胞障害性T細胞(cytotoxic T lymphocyte;CTL)の働きが抑えられ、EBV感染B細胞が増値し、致死的なリンパ腫を形成するものである。治療として1)免疫抑制剤の減量、2)ドナーリンパ球輸注が行われるが、1)はしばしば診断の遅れなどで無効であることが多く、2)は治療後に重度の移植片対宿主反応を伴う例がある。本疾患の病態については不明点も多く、より有効で現実的な対応策が早急に望まれている。われわれは、その病態解明のために、血中EBV-DNA定量法とEBV特異的CD8^+T細胞双方の迅速定量法を独自に開発してきた。本年度は、骨髄移植後に発症した数例のEBV-LPD患者においでEBV-DNAと特異的CD8^+T細胞を定量的、経時的に解析し、発症から寛解にいたるダイナミタスを明らかにした。また得られたデータをリアルタイムで臨床現場に還元し、重要な治療決定に貢献した。ここに用いた方法は迅速性、定量性に優れ、免疫低下時における日和見リンパ腫の病態解析、治療適応と効果の判定に有用であると考えられた。EBV関連日和見リンパ腫への対応は一様でなく、施設間の格差が大きい。今後症例数を増加することで、これを包括的に理解し、合理的な治療法の構築を確立をめざす。
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