研究課題/領域番号 |
12218103
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡田 茂 岡山大学, 医学部, 教授 (20033201)
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研究分担者 |
石川 隆俊 国立大学評価機構, 教授 (30085633)
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 教授 (30170179)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | シャンマー / 鉄過剰症 / C型肝炎 / サラセミア / マラリア / ヘモグロビン異常症 / 鉄代謝 |
研究概要 |
私たちはこれまでの実験的研究により、鉄の活性酸素・フリーラジカル産生能は発癌と強く関連していることを発表してきた。過剰鉄は活性酸素・フリーラジカル産生を通じて発癌と強く関連している。ミャンマーにおける肝臓癌の早期発生は肝炎ウイルスの蔓延と共に、風土的なマラリアによる溶血、遺伝性輸血依存性サラセミアなどによる鉄過剰症が関連している可能性がある。最近の研究で鉄過剰がウイルス性肝炎病態の悪化因子であることが判明してきたこともあり、同国において、B、C型ウイルス肝炎の広がりと共に、鉄過剰状態を調査し、両者の関係を明らかにすることを計画した。この研究班は1996年から1999年の文部省研究班の継続的な性格を持つものである。今回の調査は2000年12月19日より12月30日に行われた。 研究方法と結果:ミヤンマー国立医学研究局、国立ヤンゴン医科大学ヤンゴン総合病院肝臓内科、血液内科、国立小児病院にて、患者の診察、血液の採取を行った。α-fetoproteinのレクチン電気泳動と解析は国立医学研究局で行った。外科的に採取された肝臓ガン組織の分子病理学的検索は日本で行った。ヘモグロビンは等電点電気泳動、HPLCを用いて異常ヘモグロビンを同定し、血液よりDNAを抽出して、ヘモグロビン遺伝子の異常部位を検索した。異常ヘモグロビンの検索は川崎医科大学生化学教室で行った。 現在の段階では、血清の化学検査は終了していない。ヘモグロビン異常症の検索はミャンマー国においては初めての試みである。 これまでの調査の結果、若年者の肝臓癌、肝炎ウイルスの罹患状態、鉄代謝異常の蔓延などが明らかとなってきた。社会体制の違いなどにより、共同研究も最初は危ぶまれたが、現在においては、研究者同士の信頼関係も確立されており、共同研究は行いやすい状況が生まれている。また、文部省の共同研究結果より、C型肝炎ウイルス蔓延状態が明らかとなり、このデータをもとに輸血時C型肝炎のスクリーニングなども開始された。
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